5、そうだギルドに行こう
ずっと王城に暮らす訳にはいけないらしく金を稼ぐため働くことになりました
「お父様に言えば金くらい手配してくれますわよ?」
「王様に借り作るのなんか嫌だ」
「ではぁ、ギルドに行きましょう」
「おぅ、それはいい!ついでにお供を探そうか」
てなわけでギルドに突撃
ギルドはなんか学校の校舎位の大きさだった……ギルドならこれくらい普通か?異世界では常識を捨てましょう!これ常識ね
ギルドの中はなかなか広く、冒険者のお兄さんお姉さん達で賑わっていた。
俺達が入ると一瞬こちらを見て戻し勢いをつけて二度見してきた
それもそうだろうなー
ミュラーは魔法で羽を見えなくしてるから問題ない
問題なのは隣にお姫様がいるってことだよな……
『おい、あれって第六王女じゃ……』
『なんでこんなところに?』
『エミリア様、結婚してくれ』
最後の奴おかしくないか?
情報収集のため魔法で聴力強化してる俺にだけ聴こえたようだな
『隣にいる男は誰だよ』
『エミリア様と僕の仲を引き裂くつもりか……!』
だから聴こえるよー
向こうは気付いてないだろうけど
『もしかして新しい勇者じゃね?』
『『『それだッ!』』』
バレたよこんなに大勢に知られたよ俺の顔
……やっぱり仮面買うか
まぁ、それは置いといて
【スキャン】で強そうな奴を探すか
Lv100越えが受付嬢くらいしかいないな
……受付嬢強くね?Lv140あるぞ
「すいませーん!ギルドの冒険者登録をしたいんですが」
「はい、冒険者登録ですね」
スッとカウンターに書類とペンを出してきた
「こちらの書類に記入お願いします」
名前は、ユウキ=マツナガとしとくか
出身地……日の丸でいいか
受付嬢に日の丸ってどこだよって顔された
職業は勇者と書くと思ったか?魔法使いにしておくぜ
「職業のところ勇者に直しておきますね」
「俺、勇者ジャナイデスヨ?」
「ふふ、雰囲気で恐ろしく強いと分かりますよ?」
この受付嬢、できる……ッ!
「はい、これが冒険者カードです
無くしたり盗られないように注意してくださいね」
ギルドランクはFからSまであるということだ
登録の際かかった費用はベイルから貰った金で払った
冒険者登録してる間に姫様は来た時はいなかったチャラ男にナンパされてました
え?王族ナンパするって馬鹿じゃねぇの死にたいの?Lv134って姫様よりちょいと高いな、俺TUEEEとか自惚れてるタイプの人間と見た!それでも受付嬢より弱い!
ミュラーは……駄目だ冒険者のお姉さん達に餌付けされてるよ
エミリアなら自力でなんとか……王女の身に何かあれば俺の責任になるのかな?
目立ちたくはないがチャラ男を物理的に始末するか
その時、青い人がチャラ男を殴り飛ばしていた
ざわ……ざわ……
『チャラ男が殴られたぞ……ザマァ!』
『あれは〈蒼い彗星〉じゃないか……いい気味だぜ!』
『エミリア様に手を出すからだ……もっとやれ!』
……ツッコミきれんぞ?
「大丈夫ですかお姫様?」
青い人は爽やかな笑顔で左手を差し出してた
右手はチャラ男の血が付着していたが気にしないでおこう
「え、えぇ、ありがとうございますわ」
青い人にキュンってなってる姫様は礼を言いながら手を取った
なんかいい絵面だなー(棒読み
冒険者のお姉さん方がキャーキャー黄色い歓声をあげている
何?あいつ魅了の魔法でも使ってんの?超モテてるじゃん!
「痛ぇな!テメェ、俺様を誰かわかって殴ったのか!あぁ!」
この瞬間皆の心が一つになった
誰って?チャラ男だろ、とな
「ギルドでの騒ぎはお控え願いますか?」
チャラ男の肩に笑顔で手を置く受付嬢
手を払い逃げようとするチャラ男
足を捌いてチャラ男を倒し、ギルドの奥へ連行していく受付嬢
…………。去らばチャラ男お前のことはどうでもいいから覚えないがな
さて、ミュラー回収して帰るか
「ユウ様?何故私を置いていこうとしてますの?」
見つかったぁ……
「ん?いや、なんかその青い人と仲良くなったみたいだし邪魔したら悪いかなぁ、と」
「あ、すいません僕のせいで」
「いやいや、姫様助けてくれたみたいだし問題ないさ」
「僕はネロと言います
宜しくお願いしますねユウ様」
「ん?まぁ、よろしく」
「ユウ様、私がネロ様を最後のお供に選びましたわ!」
本人がいないところで何勝手に決めてやがりますかこの姫様は
まぁ、問題はないがな
とりあえず【スキャン】してみるか
Lv93
パーティーの中で一番低いよ
実力に差があったチャラ男を殴ったんだきっとLvじゃない強さがあるんだろう
……勝算もなく正義感で動いた馬鹿じゃなければいいなぁ
冒険者ネロが仲間になった
読んでいただきありがとうございます!