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4、お約束イベントその二



帰りに盗賊に襲われたぜ



「金目の物とその女を置いてきな。そしたら命だけは助けてやるよ」


悪そうな面のお兄さん方に囲まれてましたよ

人数は13ってとこか

お約束だよね盗賊


勇者はどうする?

素手でヤる、なんか嫌だな

魔法で消し炭、魔法の使い方聞いてなかったな

逃げる、囲まれて逃げ道ないな

下手に出て様子見


よし、面白そうだし下手に出よう


「はぁ?何ほざいていらしゃっるんですか?一回死んで出直してください」


下手に出てないって?そんなの人によって違うよね


「死にてぇようだな野郎……!」


「ぇ?なんでそうなるのかな?」


「挑発してるからですよぅ」

そうだよね


「そういや、魔法の使い方聞いてなかったよなー

的もあることだし教えてくれ」

「そうですねぇ

では、この説明書を読んでくださいなぁ」


そんなんあるなら最初から出せよと思わないこともない


「あ、盗賊の方々は少しばかりお待ちを」


頷いて待ってくれる盗賊のお兄さん達

奴らキレてると思ったがクールだったか



~30分後~



うん、説明書が日本語でよかった

大体理解した

魔法は唱えたら使えるってことだな

細かいことはいいんだよ!

about is bestだよ!


「じゃあ、盗賊の皆さん殺す気でかかってきな」


「いいのか?金目の物置いていけばテメェは見逃してやるのによぉ」


「普通、盗賊の言うことなんて信用出来ないだろう?

あと、俺は一文無しでな、朝から何も食ってないんだ

金目の物なんて持ってたら売ってるぜ」


俺を見る盗賊の目が獲物を見るそれから憐れみに変わっていった


「おい、何憐れんでるの?

同情するなら飯をくれ」


「そうだな飯くらい食わせてやるよ付いてきな村に案内する」


…………ぇ?冗談だったのに本気にしたの?

あとミュラー笑顔で付いてくなよ



というわけで飯を食いに盗賊の村にお邪魔します


馬鹿なの?やる気ないけど勇者な俺が盗賊の情けで飯食わされるなんて……

薬でも入ってるんじゃないだろうかと思ってミュラーに毒味させたが入ってなかったよ

腹減ってるから飯が美味いぜ……


「ごちそうさまでしたぁ」


早いな、おい!


「いい食いっぷりだったよ!」

盗賊の嫁さんらしいおばさ……ハッ!殺気?心が読まれたか……!


「おぅ、お前等頭領が呼んでるぜ」


助かったぜ盗賊の兄ちゃん!


「はい、今行きますぅ」


しかし、ミュラーなんでお前村に馴染んでるの?

何の迷いもなく頭領の家見つけて入ってるの?

まぁ、細かいことは気にしないでおこう


まず目に入ったのは猫耳だった

「よく来たな。

まぁ、座れよ天使と勇者殿?」

ふてぶてしい笑みを浮かべた猫耳のマッチョなおっさんだった

「俺の名はベイル宜しくな」


「私はミュラーでこちらが雄樹様ですぅ」


普通に俺の名前まで出しやがったぞ


「で、おっさんは俺が勇者と何故思ったんだ?」


「なに、前の勇者と似た雰囲気がしてな」


前の勇者……か。魔法【スキャン】を使ってみるか

勇者だから詠唱しなくても使えるみたいだし

異世界に来て初の魔法はおっさんを鑑定する魔法でしたとさ


「ほほぅ、Lv181とは高いな。

前勇者のお供でもしていたのか?」


「あぁ、俺は奴と世界を救うため旅に出ていたんだ」


「そんな奴が盗賊か……

前勇者はどうしたよ?」


悲しそうに目を伏せて


「死んだよ」


だろうなー

勇者は大国に一人ずつしか所有できない

俺がいるということは前勇者がもういないのは当然


「魔王にヤられたって訳じゃなさそうだし、国王だな」


「どうしてそう思う?」


「勘に決まってるだろ。国王が勇者を道具と見てるくらいしか知らないのに」


魔王に挑みに行って勇者がヤられてお供が無事に帰れる訳がない

なら、原因は人

これも勘だがな


「正解だ。あの狸が求めてるのは正義の味方じゃねぇ従順な手駒だ」


「まぁ、当然だよな」


国王を狸ってお前……気が合うな


「前勇者は狸がきな臭いことをしてるのに気付いて……始末された」


きな臭いことか……面白そうだな、おい!


「狸は前勇者のお供も始末しようとした」


「お供連中もその情報を握ってると踏んでだろうな」


「俺以外は全滅さ。俺は今も盗賊しながら逃亡生活って訳よ」

「別に盗賊なんざせずに他の大国に逃げれば良くね?」


「あ、言い忘れてましたぁ。他の大国とは仲が悪すぎて捕まったら牢屋行きですぅ」


「勇者、抑止力として超優秀な訳か」


国民すら許さんとか

勇者みたいな核兵器ばりのがいなかったら戦争してたんだろうな


「それよりあんた俺の仲間にならないか?」


手駒は多いほうがいい


「最後のお供ですかぁ?」


「馬鹿め指名手配されてる奴をお供に選ぶ訳ねぇだろ」


「じゃあ、どういうことだよ?」


「別に仲間はお供だけじゃねぇだろきな臭いことがあるなら知りたくなるのが俺の性、諜報員が欲しいのさ」


「なるほど、それを暴いたら前勇者の、いや仲間達の無念が少しは晴らされるだろ協力しよう」


「暴いた内容次第で王の首獲るかも知れないからな俺が」


「ハッハッハ!じゃあ、次の王はお前か!」


「やだよ面倒くさい知り合いに王族いるからそれがなんとかするだろ」


「たしかエミリアさんでしたかぁ?彼女が親殺しに賛成するでしょうかぁ?」


「細かいことは後でいいんだよ

じゃあ、そろそろ帰るぜ」


家はないがな


「おぅ、じゃあな相棒」


いきなり相棒に格上げだと……!?


まぁ、盗賊なのに良い奴等だったな




「帰り道分からないんじゃありませんでしたかぁ?」


「忘れてたな」


盗賊の村に引き返し国まで案内してもらった

申し訳ないなぁ




読んでいただきありがとうございます!

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