3、教えてミュラー先生
さて、どこで話をしようか……
金がかかる所はいけない一銭も持ってないからな!
何も頼まないのに飲食店とか入れないし
というわけで歩いてるといつの間にか国の外に出てましたー
いやぁなんでだろうねー
ここまで真っ直ぐ歩いてたのに何にもぶつかることなかったなー
国の周りは壁とかで覆われてると思ってたけど違ったか
この国、王城以外守りがないに等しいな
国の周り全部に感知系の結界を張ってるようだとミュラーが言ってたが侵入されたことに気づけても迎撃するまで貧民層辺りが被害にあうのは確実……あのタヌキみたいなのでも一応、国王だ
そのことに気づかないわけがない
なら、どうして建てないか?
莫大な費用と手間が掛かるからとかそんなところかな?
国王は国民を守る気なかったりしてな
それは流石にないか
しかし、感知系の結界だけとは不用心ではないだろうか?
感知系の結界に触れずに侵入する方法なぞ幾らでもあるだろうし……
他国と戦争とかしないから守る必要がないという可能性もあるな
考え事しながら歩いてたら知らない森の中にいた
異世界なんだから知らないのは当然なんだけどな……帰り道分かるかな?
いや、ミュラーいるし大丈夫だろう……たぶん
「んじゃ、まずはこの世界……大陸について教えてくれ」
近くにあった岩に座って話に入った
ミュラーは光で椅子を作り出し、それに座った
わぁお、それが魔法か!
「こほん、まずはぁ、大陸のことからですねぇ。大陸には大国が六つありますぅ。大国の周りに小国が多数ありますがぁ、大体は大国の庇護下にありますねぇ」
火山地帯にあるファリア王国
水の都とも呼ばれるアクアリン国
軍事国家のエレクトル帝国
サムライやらシノビがいる風の国
極寒の地スノゥ王国
そしてこの国サンドラ王国だそうだ
「全ての大国は勇者を所有していますぅ」
所有って勇者、兵器っぽいな
チート性能があれば他人から見たら兵器か
少なくとも俺併せて6人は化物がいると
「魔王は大陸の真ん中の魔王城に居るんですよぉ」
そーなのかー
「次は俺の強さ、他のやつの強さも教えてくれ」
「この世界は強さの基準がLvで表されますぅ」
どこのRPG?
「全ての生き物にLvがあり
さきほどの王女はLv127、私はLv263ですぅ
Lvには上限がありましてLv500が最大ですぅ。
雄樹様は当然最大値のLv500ですよぅ」
人間のLv200越えは滅多にいないという
天使は全ての固体はLv250以上ある
魔物はLv1~350まで確認されているそうだ
勇者は大抵Lv500の化物らしい
ミュラー曰く、Lvとか設定は神(今の神と違う奴)が趣味で付けたものであまり意味ないらしい
「次は魔法かな」
ファンタジーの醍醐味、魔法
男のロマンだよな
え?違う?
「はい、魔法の属性は火・水・雷・風・氷・土・闇・光・無があり、
ランクは下級、中級、上級、超級ですねぇ」
「魔法って呪文唱えたら使えんの?」
「魔法を詠唱することは簡単ですぅ子供でも出来ますぅ。でもぉ、発動させるには魔法を理解してないといけませんよぉ」
「魔法を理解?」
「分かりやすく言うとぉ、詠唱は計算の末に辿り着く解のようなものですぅ。計算の答えが分かっていてもぉ、過程の式が分かっていなければ使えないということですぅ」
「なるほどな」
「下級魔法はぁ、日常生活に役に立ちますがぁ戦闘では雑魚相手にしか効かない程度の威力ですぅ。
人間がよく戦闘で使うのがぁ、中級魔法ですぅ。
威力はそこそこでぇ、対人戦などで活躍してますねぇ。
上級魔法はぁ、努力さけすればぁ誰にだって使えるようになると言われていますがぁ、多くの人間は魔力不足で挫折するそうですぅ。威力は高く相手の簡単に命を奪えますぅ。相手がただの雑魚ならですけどねぇ。
超級魔法はぁ、全てが上級魔法より上という訳ではないのですぅ。上級魔法より格段に高い威力の殲滅魔法もあればぁ、上級魔法より威力が低くても複雑な動きをするなどのぉトリッキーな魔法もあるのですぅ」
へぇ、これで説明短いほうなんだな……
「あと、勇者のみが使える超級の上にある魔法を神級と言うのがありますぅ」
「おぉ、勇者専用の魔法があるのか」
「聞いた話小国ならそれだけで消し飛ぶらしいですよぅ」
凄いな兵器(勇者)
「そんなに勇者が強いのに魔王をまだ倒せてないのは魔王が勇者以上の化物なのか人間同士で小競り合いでもしてるからか?」
「両方ですねぇ。魔王を討ちに行った勇者は帰ってくることがなく、勇者を失った大国は恰好の餌食になるわけですぅ」
大国同士、やっぱり仲がいいわけじゃないよなー
兵器(勇者)がある限り戦争は起こらないだろうな
戦争して疲弊したところ漁夫の利狙われるだろうし
まぁ、それは置いといて
「あのタヌキ(王)が魔王を倒した暁には元の世界に帰してやろうとかほざいてたけど無理なんじゃないか?」
異世界もののお約束だよな、帰れないのが
「はい、異世界に行くのは簡単なのですがぁ、帰るのはかなり難しいですよぅ」
当然だよな世界なんて数え切れないほどあるだろうから元の世界を見つけるなんて一生かけても無理だろう
俺は元の世界では死んでるから帰れないし帰るつもりもないから問題ないがな
あの世界には愛する人どころか友達すらいなかったのだから未練はな……ラノベの続き気になるなぁ位だな
「今聞きたいのはこんなもんか」
色々聞いたしあとは自分でなんとかなるだろう
「ありがとよミュラー先生」
労いに髪を撫でてやる
エヘへ、とか嬉しそうに笑ってる姿には父性がくすぐられた
俺、勇者辞めてお父さんしようかと思ったくらいだ
思い止まったのはその笑みが計算されたものだと気付いたからだ
危ない危ない、前の世界じゃ騙し合いなんて日常茶飯事だった俺は騙されないぞ
「ところで、帰り道分かるかミュラー?」
「分かりませんよぅ」
なるほど、帰れないということか
適当に歩いてたらその内帰れるだろう、たぶん
読んでいただきありがとうございます!
「木属性ってないのか?」
「そういえばありませんねぇ?」
神『作者が忘れてただけだろ』
そ、そんなことないですよー?わざとですよ!わざと!(後で気付いたけど今更追加出来ないじゃないか!)