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14、暗殺者襲来




俺はネロの家の空き部屋に布団を敷いて寝転がっていた

悪魔執事との訓練も一週間やれば慣れてくる

この一週間で多少戦えるようになったし、毎日、超級魔法一つ習得させられる

面倒だなーダルいなー

とか考えながら深い眠りに着こうとしていたとき


ほんの僅かな殺気を感じ布団を蹴り上げ横に転がった


さっきまで頭と心臓があった場所に苦無が刺さっていた


「深い眠りどころか永遠の眠りになるとこだったぜ……」


ここ一週間、飯の時、風呂の時、寝てる時でさえ執事に襲撃されて油断できる時間がなくて反応できたぜ

執事曰く、「勇者たるもの奇襲くらいあしらえずにどうします」とのことで


後ろに曲者の気配がしたから素早く横に二歩ほど移動する


首のすぐそばに刃物が通りすぎる音を聞いた


おぉ、首狙いの一撃か


勇者の身体能力は尋常じゃないから回避できたけどあれはヤバいなー


俺は走り出した


俺が壁に掛かってる短剣を取るため走りだしたと見た曲者は苦無を短剣への方向に投擲


だが残念、それはフェイントだ俺は身を捻り、方向転換し布団の方に向かった

曲者はほんの一瞬止まった

だがその一瞬があれば十分だ

布団の下に隠しておいた短剣を取るのには十分だ時間だった

何故、布団の下に短剣隠してるかだって?執事に奇襲されるんだ普通だろ


俺が短剣を取ったその時には曲者は行動を開始していた

こちらに近付きながら苦無を投擲

俺は振り返り、その勢いで短剣で苦無を弾く

曲者はすぐそばまで迫っており右手に持った苦無で心臓を狙いに来た

曲者と俺の間に小さな爆発、しかし防がなければ重症を負う程度の爆発魔法を使い

曲者は即座にバックステップで回避していた

俺は直撃


だが勇者は体が丈夫でちょっと痛い程度で済む。涙出そうだが、


「目、醒めたぁ!」


さっきの無詠唱での魔法のせいか曲者は警戒してか突っ込んでこない


「…………。」


俺も落ち着いて曲者を観察するとするか

狐のお面に忍装束

紫のポニーテール

大きな胸

……女だったのか!

身長俺より高いじゃねぇか……

とか考えていたら

忍者は窓に向かって走りながら苦無をばらまき


「……舞え風よ」


ばらまいた苦無に中級あたりの風の魔法を掛けて飛ばしてきた


「落ちろや」


俺はそれに重圧をかけ落とし


「穿て!」


俺は一歩踏み込み、空間を打撃した


「……!」


忍者は腕をクロスし後ろに跳ぶことで衝撃を軽減した


俺がしたのはこの部屋の空気を魔法で殴っただけだ


しかし、この部屋の中に逃げ場はない


執事だったなら殴る前に離脱している

あいつ勇者より速いってなんだよ

上位悪魔だよ



忍者が体制を立て直す前にもう一度打撃した


忍者は耐えた


だからまた打撃した

耐える限り打撃し続ける


「13発……手加減したとはいえよく耐えたもんだ」


勇者は忍者を捕獲した!


初めは短剣で首を跳ねる予定だったが女を殺るのはいけねぇ

だから死なないように打撃したが一般人なら最初の一撃目で気を失う……やったことはないが

それを13発も耐えてみせ

まだ意識を失っていない


「……ッ!」


「暗殺に失敗したから自害しようとした?でも残念、奥歯に仕込んでた毒は消した」


いやぁ、魔法は本当に便利だねッ!


さて、楽しい質問ターイムだ

この前、悪魔執事に教わった洗脳魔法


「【ブレインコントロール】!」


この超級魔法は自分より遥かに弱い奴にしか使えないが俺ならLv300まで操ることが出来る

この忍者くらい余裕で操れるぜ!


「お前はどこの国の暗殺者だ?」


「……風の国」


「国の仲が悪いのは知ってるが何故、王ではなく俺を狙った?」


「……王は代わりがあるが勇者はそうでもない」


そういや、勇者の召喚は一回使ったら一年は使えないらしいな

「暗殺者はお前一人で足りると思ったのか?」


「……勇者とて所詮人間、その上新人、寝首を掻くのは容易と判断した」


なるほど、なるほど

俺を始末した後、戦争という名の虐殺でもするつもりだったのかなー


目がすっかり醒めて寝れそうにないなー


「そうだ暇潰しにお前の記憶でも見よう!【メモリアル・オブ・シアター】!」


これも悪魔執事に教わった超級魔法

触れている人間の過去を見るという悪魔的魔法

Lv200以上の奴には使えない


さて、この若さでこんな強いんだどんなことをしてきたのかな?




それは幼い頃から甘えることを知らず、挫折することも最低限の自由さえも許されずひたすら人を殺す技術を磨く日々


「…………。」


辛かっただろうな寂しかっただろうな

あの魔法は記憶を映画みたいに見るだけで感情や思考が分かる訳じゃないがそう思った

記憶の中のこいつは泣いていた

こいつはまだ下らない家の掟とやらに囚われてるのだろう

柄じゃねぇが助けてやりてぇな……


「気に入ったぜ俺の仲間になれや」


まず、家から一時的に解放してやろうか

忍者は何を馬鹿なことを、と思ってるんだろうな


「俺に付いてこい。俺は奴等と違ってお前を捨て駒にしないぜ?」


俺の駒に捨て駒はない


「…………。」


「拒否権はないがな」


ここは何か格好いいことを言っておこう


「俺がテメェに幸せってやつを与えてやるよ」


保証はしないが


自分で言っててなんだが格好よくない、キモいな、おい!


「……いいだろう」


「おぅ、よろしく!名前は?」


見たけど聞いてこう


「……私は一度死んだ女だ好きに呼べ」


言いおるわ


「じゃあ、お前今日から……ソラな」


空って自由な感じするじゃん?


「……了解した我が主よ」


また、居候が増えたなー




忍者ソラが部下になった


「戦争するならまずは風の国からだな」


俺は笑った






読んでいただきありがとうございます!



「……真のヒロインはこのソラだッ!」

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