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閑話、ナルシストにも




今日はバレンタインデー


「何故だ……?」


ルシウスは町中で道行く女に堂々とチョコを求め、地に沈められた


「何故、僕ほどのイケメンに誰もチョコを渡さない?それどころか殴るだと……?」


彼は空を仰ぎながら考えた


「そうか、分かったぞ!皆、照れているんだな!」


その思考は間違った結論に辿り着く


「アンタって人は懲りないねぇ」


栗色の三つ編み、ソバカス、穏和そうな顔の女がしゃがんで仰向けのルシウスを除き込んでいた


「ふむ、今日も白か。相も変わらず地味だなアルシエ」


見下されるルシウスは溜め息をついて彼女の下着をそう評価する


「本っ当、懲りないわね!」


華奢な足がルシウスの顔を猛然と踏みつける

幸いだったのは彼女の靴にヒールがついていなかったこと


「それより、何か用かい?生憎、今日はバレンタインで僕は忙しいんだが」


「非モテのくせしてよく言うわ」


アルシエは呆れてこめかみを抑える


「まだ、お義父さん探してるんでしょう?」


「地味なお前が完璧な僕を測ろうなど片腹痛いな」


「一緒に住んでる馬鹿の考えることくらいお見通しよ」


ルシウスとアルシエは一緒の人に拾われ育てられた腐れ縁がある

所謂、幼なじみだ

二人を育てていた男はある日忽然と姿を消した

ルシウスはそれを探している

そもそも、ルシウスは行方不明の義父の手掛かりを得るために雄樹に近付いた

勇者と共にいればいずれ壮大な冒険に出るはずだと

しかし、雄樹は王国から出ない

それに怒りを覚えたこともあったが、そんなルシウスは雄樹に「何を焦ってんだ?」と見透かすように問うたことがあった

ルシウスは冷水を浴びせられたように錯覚した

彼はナルシストだが度し難い馬鹿ではない

馬鹿を演じて利用するつもりがこちらの真意を突いてきた

恐らく雄樹は自分の今までの行動をソラを使い調べあげている

ルシウスが何を望むか知っている

雄樹はその事について何も言わないが彼の闇色の瞳から協力は望めないとルシウスは悟った


「僕と並ぶユウはともかく、アルシエのような地味女にさえ気付かれるとは不覚!」


「地味地味五月蝿い!」


未だ仰向けのルシウスは再びアルシエの靴の餌食になる


「……いい加減さ。親離れしなよ」


神妙な口調なアルシエ


「親離れ?違うな、僕は義父を見付けて一発殴ってやりたいだけさ」


立ち上がって砂を払うルシウスはここではない遠くを見つめている


「そ……。まぁ、アンタが私の言うこと素直に聞く訳ないって最初から分かってたけどね」


一瞬、アルシエは寂しそうな顔になるが、すぐにルシウスが見慣れている表情に戻る


「アンタ、どうせ今年もチョコ貰えないだろうから私があげるわ」


アルシエはチョコの小包みをルシウスに投げる


「僕を馬鹿にしてるのかアルシエ?チョコなど腐るほど貰えるに決まっているだろ?」


アルシエの言にムッと来たルシウスは身に纏う光属性魔法のキラキラを強くする


「はいはい、アンタさ、毎年同じこと言ってるよ」


ヒラヒラと手を振りアルシエは去っていく

それを見届けたルシウスは気合いを入れ直しチョコをねだりにネロの家を目指す




「で、結果はどうだったのよ?」


帰ってきたルシウスにニヤついた顔で結果を聞くアルシエ


「ふっ、どうやら僕と親しい仲でもチョコを渡すのは相当恥ずかしいようだね」


「ようは貰えなかったのね」


仏頂面になるルシウスを馬鹿にして笑うアルシエ

その表情はどこか安堵しているようであった



読んでいただきありがとうございます!




はいはーい!天の邪鬼でーす!

バレンタインは引きこもる予定の天の邪鬼でーす!

ナルシストのルシウスにもヒロインがいてもいいと思うんだ

お兄さんラブラブカップルとかは嫌いだけど友達以上恋人未満なら許せるんだ

むしろ、いい!

ルシウスとアルシエは永遠にくっつけないと思え!

それと気付いたんだけど今までルシウスの一人称、「俺」になってたね

何処で間違えたんだろ……?

直すの面倒だな……

てな訳で今回からルシウスの一人称は当初の「僕」に戻りまーす!

書き直しは面倒だからしませーん!

あ、ちょっ、冗談、冗談だから、おい【レーヴァテイン】はシャレにならギャアアア!





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