10、盗賊達の情報収集
俺達は雄樹の仲間になってから、カタギの人間は襲わず、悪徳貴族のみを襲うようになった
貴族の雇っている用心棒は多少は強いが俺には勝てない
いつものように貴族の馬車を強襲したとき、貴族から王国で人体実験をしているらしいと情報を掴む
「これは王国の闇に違いねぇ。野郎共!出陣だ!」
王国には(悪徳貴族からパクった)馬車で侵入。結界は何かに覆われている人間を察知できないらしい。情報源は雄樹
「野郎共!今回の仕事は王国第三研究所に侵入し、狸のやっていることを暴くことだ!今までにないヤバい仕事だぜ!」
「「「おおおお!!」」」
俺、含め8人で侵入する
多すぎると動きづらくなるからな
王国第三研究所は見るからに怪しい場所だった……
「さて、侵入と言っても俺等そんなことやったことないな」
「盗賊らしく真正面から突入ですよ」
「「「らしいか……?」」」
どうだろうな?
「まぁ、考えるの面倒だ行くぞ!」
こんなことなら我等が策士、ロロナに作戦立てても貰うんだったな……
正面から堂々と侵入したため、当然、警備員に見つかった
あの警備員、貴族の用心棒より強いな……
俺なら勝てるだろうが時間がかかりすぎると増援がくる……どうする!
「ふ、頭領ここは俺に任せてくださいよ」
「何言ってやがるマイク!お前じゃ無理だ!」
「何、すぐに追い付きますよ
行くぜイケメン野郎おおおお!」
「「「マイクゥゥゥゥ!」」」
サクッ
奴は仲間思いのいい男だった
あと、イケメンが嫌いだった
暫くして別の警備員に見つかった
「頭領、嫁に元気でやるように伝えてください」
「馬鹿野郎!お前達はこれからも仲良くやっていくんだろう!?」
「そうですね。こんなところで死んだら嫁に殴り殺されちまう。……生きて帰りますともおおおお!」
サクッ
「「「ジョォォォォン!」」」
奴は嫁にボコられながらも笑いあう仲のいい夫婦だった
もう見付かるまいと思った矢先、エンカウントした
「頭領、先に行ってください。俺はこいつの相手しますんで」
「ルーク死ぬなよ」
「当然ですよ!ヒャッホーイ!美人だああああ!」
サクッ
「「「………馬鹿だ」」」
何も言えねぇ
分かってた
また見つかるだろうと分かっていたんだ
「誰が行く?」
「「「トムで」」」
「ぇ?強制なの?冗談だよね?頭領、なんで俺の頭掴んでるんですか?」
「頑張れよ」
「嫌だああああ!」
サクッ
「トムの犠牲を無駄にするな!急ぐぞ!」
「「「おう!」」」
「着いたぜ。ここが例の研究室だ」
長い道のりだった……
場所が分からず適当に走り回ってたからな
研究員を発見、捕獲、尋問しなかったら犠牲者が四人では済まなかったろう
扉は研究員から力ずくで譲って貰った鍵を使い開けた
「なんだこの気味の悪い部屋はよ……」
そこには人間のホルマリン漬けが大量や何かの死た(etc)などが置いてあった
「頭領!来てください。実験のレポートがありやした!」
「でかした!」
レポートを持ってさっさと撤収しなければ警備員がくる気がする
「野郎共!目的は果たした撤退だ!」
「「「了解!」」」
これでマイク、ジョン、ルーク、トムの犠牲は無駄にはならなかったと言えるだろう……
後日、捕らえられ始末されそうだったマイク、ジョン、ルーク、トムは隠密行動の訓練ため第三研究所に遊びにきていた雄樹に拾われていたらしく普通に帰ってきた
刺されていたはずなのに無事だったんだ……
俺達の涙を返せ馬鹿!
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