101、動きなくなかったけど動かざるおえない事件
黒勇者『なんだ?依頼のことなら動かんぞ』
反乱者『親切な人拐いに聞いた話なのですが、今回の事件は只の人拐いの仕業ではないようです』
親切な人拐いね……
拷問好き多いのか異世界
ネロ『親切な人拐いさんがいるんですね!』
全裸『どっかの勇者とは大違いだな!』
ネロと馬鹿はジーノの言葉をそのままの意味で受け取ったようだ
全裸は牢屋の中からチャットしてんのか?
黒勇者『その人拐いの情報は信用出来るのか?
チャット機あるのになんでわざわざオッサン送ってきたんだ?』
人拐いが嘘を突き通した可能性や、元から情報が間違っている可能性などがあるだろう
送ってくるならせめて普通のオッサンが良かった
反乱者『人拐いは同業者に手を出さないという暗黙の了解があるのです。
事件の犯人は一目見ようとしただけの人拐い連中も目撃者一人残らず例外なく殺しています。
あと、部下を送ったのは相談者達の気持ちを直接見てほしかったからです』
黒勇者『それだけで只の人拐いじゃねぇと?
暗黙の了解なんて破ってなんぼだろ。
あと、チャット機でも手紙でも大差なくね?結局、直接聞いてる訳じゃないぞ』
反乱者『暗黙の了解を破るということは人拐い全てを敵に回すということなのです。
そのリスクを負ってまで拐った子供を殺すなど人拐いがそんな無駄なことをするでしょうか?
あと、気持ちの問題です。大差はありますとも』
黒勇者『なら、ちょっと強めの快楽殺人者だな』
反乱者『恐らく』
黒勇者『敵が只の人拐いじゃないなら、受けてもいいだろう』
てか、探しにネロはもう出た
闇雲に探しても見付からないだろうに馬鹿な奴め
受けねぇといけなくなるじゃねぇか
黒勇者『全員、見てるな?
暇な奴は手掛かり探してこい』
約全員『了解ー』
黒勇者『暇な奴多くね?』
こうして俺達は動き出した
殺人鬼探しから一日が過ぎた
「やってらんねぇー」
机にグテーと突っ伏す俺
全く手掛かりが見付からない
お手上げである
「早すぎるよユウ」
とか言いつつも俺と同じ様にグテーとしているアンナ……のアホ毛
「昨日のうちに拐われたの三人だっけ?」
現場に反乱軍やネロが駆け付けた時には犯人らしき人物は誰もいなかった
あったのは誰のものか分からない肉片だけだったそうだ
ネロはその惨状を見て悲しみ怒り
クレーターを作った
何があったかは察してほしいところ
「たぶん、それだけじゃないだろうけどサンドラ王国は広すぎて分からないよ」
「だよなー」
誘拐関係の依頼と子供の死体は増えるばかり
貴族の娘まで拐われているため騎士団が動いているようだが連中はどこか適当に動いているように見える
「そろそろ報告あるかなー」
昨日、全力で捜査しかにも関わらず手掛かり皆無だったことから長期戦になると判断
定期的に報告を入れさせるようにした
ネロ『パトロール終了、犯人は見付からなかったです……』
Lv400相当の実力になっているネロは一日中サンドラ王国を走り回っていた
第六姫『こちらも異常ありませんわ』
姫様はネロと一緒にいるだろうが
お姫様抱っこされてるの目撃されてるんだぞ
そのせいでティール嬢やネロのファンからのお悩み相談が凄いことになっている
ファン達、行動早すぎるだろ
騎士団長まで情報回してやがったぞ
叫びながら乗り込んできた騎士団長はさっき撃退した
反乱者『我々も怪しい動きを見付けれません』
反乱軍には元から期待してない
シスタ『やっと活躍出来ると思ったのに……何の成果も上げれないっす』
シスターって暇なの?
全裸『今日は騎士団に捕まらなかったぞー!』
全裸は戦力外どころか騎士団の迷惑になってるな
黒勇者『魔女、探知魔法は?』
狂魔女『その犯人の魔力が分かれば見付けられるわよ?』
事件の連中は魔力を使わず犯行に及んでいるため事件の現場に魔力の反応はないとアホ毛は言っていた
魔力の反応って何?俺全然分からないんだがアホ毛は何を見てんの?
黒勇者『探知は無理なら臭いでと思ったがどうだルゥ?』
灰狼『駄目、臭いが途中で途切れてる。逃げるときに鼻のいい獣人対策で無臭薬を撒いたんだと思う』
天使『《欲深の銀鼠》のアジトをぉ、探してるときもそうでしたねぇ』
黒勇者『犬の鼻でも駄目か』
灰狼『ルゥは犬じゃない狼だ!』
縛希望『犬なら私がいるわ!強く縛って虐めてぇ!』
黒勇者『今、欲しいのはM犬じゃなく役に立つ犬なんだがな……』
百合犬『私が囮して役に立たなかったのは申し訳なかったです』
誘拐されても自力でなんとか出来るだろうミュラーとチターナを囮に一人で人気のない場所を彷徨かせたが成果はなかった
でも、一日で成果出たら驚きだわな
天使『天使の私を誘拐なんてぇ、烏滸がましいことと気付いたのでしょうねぇ』
黒勇者『隠しきれない実年れ……なんでもない』
囮失敗のとき、チターナは自分が幼女と見られていないことを大いに喜んだが
ミュラーはロリババア扱いされたと思い負のオーラを撒き散らしていた
地雷を踏むとただでは済まないだろう
輝く男『あぁ、ミュラーがババアだと向こうが気付いたのか』
地雷を踏む馬鹿いたわ
天使『お仕置きは何がいいですかぁ……?』
約全員『ヒィ……』
この後、ルシウスはミュラーに絶対服従の人形へと変わっていた(一週間で元に戻った)
メイド『なら、私が囮を』
スカイ『……駄目』
黒勇者『怪我したらどうするんだ』
天使『私はよかったんですかぁ?』
Lv263もある天使を心配する必要がどこにある?
黒勇者『てか、誰かショコラ見てないか?』
なんか昨日から帰ってないんだけど、どっかの宿に泊まってんのか?
約全員『見てない』
…………。これって、まさか
全裸『ショコラ誘拐されたんじゃね?』
天才『可能性はあるね。ショコラも立派な幼女だし』
黒勇者『なんも言えねぇ……』
仲間が誘拐されたかもしれないぜ!
ショコラが巷を騒がせている誘拐犯に捕まったかもしれない
黒勇者『皆、ショコラを拐ったかもしれないゴミ共を見付け出し血祭りに上げるぞー!』
ヤる気が沸いてきたぜー!
約全員『おおー!』
受付嬢『勇者様達、少々物騒ですよ?』
ネロ『少々……?』
黒勇者『何を言ってる?殺すだけ救いがあるだろうが』
俺の中で死は救いがある罰
受付嬢『それ以上があるんですか……』
殺さず痛め付け治し痛め付け治しを寿命が尽きるまで繰り返すのが俺が与えれる最大の罰かなー
黒勇者『ショコラに何かあれば最大の罰を与えるがな』
スカイ『……主、顔怖い』
全裸『ま、魔王だ……!』
いや、勇者だよ?
天才『おぉ、いい感じに悪役の笑顔だ!』
褒めるな褒めるな
黒勇者『そんなことより、手掛かりを探すぞ』
ネロ『手掛かりなんて何処にもありませんでしたよ』
そりゃ、普通に探せばないだろうよ
黒勇者『手掛かりはなくもないんだぜ?』
ネロ『あるんですか!?』
第六姫『まさか……』
天才『成る程、子供の死体か』
黒勇者『正解!』
反乱者『そこからなら証拠が見付かるかも知れませんね』
ネロ『子供の死体を使うというんですか!?』
シスタ『確かに心苦しいですがこれ以上の犠牲を出さないためっす』
灰狼『殺された女の子達の無念を晴らすためだ』
ネロ『でも……』
まだ渋るか……
この事件が原因でネロがこっち側に来るかもしれねぇな……
黒勇者『分かった分かった。この話は無かったことにしようぜ。別の手を考えよう』
子供の死体をどうこうする話はネロにはしないほうがいい
ここでは止めだ
ネロ『はい、それがいいですよ!』
本当に単純な奴だなネロ
黒勇者『じゃあ、引き続き意味のない捜査を頼むぜ』
約全員『こいつ……!』
俺はアンナが用意していた裏の話が出来る連中だけが参加出来るようにしているチャットルームを使う
メンバーは俺、アンナ、ミュラー、ベイル、魔女の五人
ブラックな話が出来るの少ないな……
黒勇者『どうせ、これ以上ないくらい無惨な死体になってるんだし少しくらい問題ないと思うよな?』
狂魔女『解剖でもするのかしら?』
盗賊頭『いや、解剖するまでもないだろう』
黒勇者『うん、子供は犯されて殺されてるみたいだし死体に誘拐犯の体液が付着してるかもだろ?』
まぁ、体の表面に残してる訳ないだろうから少し内部を抉ることになるかな
体液には微量ながら魔力が流れている
それで魔女は探知魔法を使えるって訳だ
天使『流石は雄樹様ぁ、下衆なことを考えますねぇ』
俺の考えてることが分かってる時点でお前も下衆だろ
天才『でも、死体はどうするの?今のところ全部燃やして埋葬されてるよ』
この世界の埋葬の方法は歴代の勇者が持ち込んだものらしいがどうでもいい
黒勇者『なら、俺達で新しく捨てられる死体を回収すればいいだろ』
天使『私がぁ、誰にも悟られずに回収するんですねぇ?』
俺には常にソラが着いてるからな死体回収なんてしたらショック受けるかもしれない
アホ毛は単純に戦力外
多少戦えるが相手が強いか分からない今はあいつは死体回収に向かわせないほうがいい
黒勇者『そうだな。俺は殺人鬼を探すとするさ』
ミュラーが秘密利に死体回収出来るまで大人しくしてる訳にもいかない
直接、殺人鬼を捕まえれるのが時間的にもベスト
黒勇者『魔女も死体回収に来てくれると嬉しいんだがな』
狂魔女『ごめんなさいねぇ!私、ベイルを探すのに忙しいのよぉ!』
盗賊頭『くッ!もう追い付いたのか!?』
あの二人は相変わらずなのな
黒勇者『取り敢えず、行動開始な』
天使『死体はぁ、アンナさんのところに持っていけばいいんですねぇ』
天才『それから誘拐犯のものと思われる体液を採取して』
魔女『私の探知魔法で探すのね?』
黒勇者『それでショコラを奪還した後、殺人鬼は俺が殺る』
こうして本気の犯人探しは始まった
読んでいただきありがとうございます!
あとがき
はいはーい!天の邪鬼でーす!
雄樹は死体を只の肉塊として扱う下衆のような性格ですが仲間は助けようとするんですよー
その過程で人が死のうと知ったことではないと言うようなキャラですがね!
ショコラさんのヒロイン度が高いですねー
……どうしてこうなった?
「――如何に生き、死ぬのが正しいのですか。」
by 正しい正しくないじゃない本人が周りがその人生に満足したかだと中二的な思考をする天の邪鬼