魔女っ娘の恐怖政治
スカルくん達のお陰で家庭菜園はかなり形が整ってきました。
一面小麦畑……にはなっていません。
食糧生産は一割ほど。
自分が食べる分さえ確保できればそれでいいのです。
残りは実験用と魔法植物の栽培エリアにします。
魔法植物を育てることが出来れば買いに行く手間も省けますし、お金もほとんどかかりません。
魔法植物は冒険者などに依頼して採取して貰うことが出来ますが、費用がかなり高く付きます。
節約できるところは節約するのが魔女の信条なのです。
魔女が残した魔法植物がいくつかあったので、まずはそれを利用して育てることにしました。
栽培方法をスカルくんに説明します。
「覚えた?」
「(o ̄∀ ̄)ノ”ぁぃ」
スカルくんはこくりと頷きます。
本当に分かっているのかどうか微妙です。
そもそも理解するだけの脳みそはもう失われているのですから。
「……失敗したらバラしてプラモデルのパーツにするからね」
「∑('◇'*)エェッ!?」
「もしくはすり潰して魔法薬の材料にするからね」
「Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン」
スカルくんはぶるぶると震えながら頷きます。
どうやら恐怖を感じる心は存在しているようです。
魔女の発言も大概えげつないとは思いますが。
小さな世界の恐怖政治は順調に進んでいるようです。
主・魔女。
住民・スカルくん一号から十号まで。
小さな魔女帝国です。
魔女が怖いスカルくん達は軍人のようにきびきびと動きます。
そのうち敬礼とかするかもしれません。
骨に軍服を着せたら一体どんな風に見えるんだろう、などと魔女は首を傾げるのでした。