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家庭菜園にチャレンジしよう!

 魔女は異世界の生活にだいぶ慣れてきました。

 料理も一通り出来るので、暮らしていくだけならばそれなりに問題はありません。

 魔女の生活はそこそこ楽しいものです。

 なによりも学校に行かなくていいのが素晴らしい。

 学校の勉強は嫌いです。

 将来役に立つとは思えません。


『無駄な事なんて一つもないんだよ。君達が役に立たないと思っているものは、いつか遠い未来に何らかの形で役に立つものなんだよ』


 などと担任の先生が言っていましたが、その『何らかの形』が努力に見合ったものかどうかなんて誰が保証するのでしょう。

 正直なところ生きていくだけなら小学生レベルの計算と読み書きだけで十分だと魔女は考えています。

 実際、魔女はほとんど小学生レベルの知識しか持っていません。

 しかし異世界に流されても立派にやっていけています。

 もちろん先代魔女の記憶継承のお陰もありますが、それはあくまで『魔女の力』に関するものです。

 生活に必要なことは魔女本人の知識なのです。


 そんな魔女が新たな試みを思いつきました。

「うん。やっぱりもったいない」

 魔女は家の周りの広大な土地を眺めながら頷きました。

 裏手にはゾンビくん待機。

 表には豊かな土壌。

 これだけの土地を有効利用しないのはもったいないと考えます。

 狭々としたマンション地帯で過ごしてきただけに余計考えてしまいます。


「家庭菜園にチャレンジしよう!」

 土地の有効利用といえば家庭菜園です。

 建物を増やしてもあまり意味がありません。

 魔女は現在の生活空間だけで十分に満足しているのです。


 思い立ったが吉日。

 あれこれ考えずにまず実行、が魔女の行動規範です。

「ゾンビ一号から十号まで整列~」

 まずは労働力の確保です。

 自分で畑を耕そうなどという気は微塵もありません。

 怠け者根性丸出しです。


 魔女はゾンビくん達に畑を耕すよう命令しました。

 食べ物を育てるという点で衛生面を考慮した魔女が、まずはゾンビくん達のお肉を全て消してしまいました。

 はみ出た眼球も、こびりついた腐肉もすべて消えてしまいました。

 ゾンビならぬスケルトンになってしまいました。

 これからはゾンビくんではなくスカルくんと呼ぶことにしましょう。

 それから長期稼働にするつもりなので、自分の魔力ではなく土地の魔力を循環させて動かし続けることにしました。

 魔女の住処なだけあって、この山は自然の魔力に満ちています。

 魔力の吹き溜まりをうまく利用して自然の要塞になっているのです。

 この土地を守る結界も迎撃魔法も、全て自前ではなく土地の魔力を利用しています。

 その魔力をスカルくん達に分配して半永久稼働出来るように魔法をかけました。

 労働力ゲット。

 ついでだから警備員もやってもらいましょう。


 こうしてゾンビくんから新生したスカルくん達は魔女の労働力として畑を耕すことになるのです。


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