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観光ガイドをゲットしました

シーズンネタ終了。

本編に戻りますにゃ~(^o^)

 魔女は魔王と一緒にこたつに入ってみかんを食べていました。

 郷には入れば業に従え、です。

 漢字は違いますが意味は合っている気がします。

 黒鍵騎士は部屋の隅で直立不動の姿勢で立っています。部下の鏡です。

 上司はこんなにも情けない姿だというのに。

「頼まれていた魔獣の卵千個。確かに納入したからね」

 魔女は依頼の品を魔王に渡します。

「うむ。確かに」

 魔王は満足げに受け取ってから黒鍵騎士に渡します。黒鍵騎士は魔獣の卵を倉庫へと運んでいきました。

「念のために二百個ほど余分に創ってきたけどどうする?」

 魔女はそう言いながら残り二百個の卵をこたつの上に出しました。

「む……」

 魔王は余剰分を見て唸ります。とっても物欲しそうです。

「陛下。お気持ちは分かりますが、これ以上の出費は来月の灌漑工事予算に影響があります」

 物欲しそうな魔王に黒鍵騎士が冷静に指摘します。かなり厳しい予算編成のようです。

「うぅ。やはりそうか。残念だが」

「条件次第で譲ってあげてもいいよ」

 どうせ創ってしまったのですからと魔女はそんな事を言いました。

 持って帰ったところで使い道も思いつきません。ならば別の条件で譲ってあげようと考えたのです。

 儲け話にはありつけませんでしたが、魔女はお金に困っているわけではないので大した痛手ではありません。

「本当か? 条件とは?」

 魔王が表情を輝かせて魔女に問いかけます。

「観光したい」

「………………」

「一人じゃ危険だって言うならそっちの黒鍵騎士をガイドに付けてよ。ハルマ大陸の名所巡りとかしてみたいんだけどどうかな?」

「……むう。確かに黒鍵騎士ならば魔女の安全は保証できるが。本当にそれだけでよいのか?」

「いいよ。じゃあ決まりね」

「了承した。黒鍵騎士、魔女をよろしく頼む。大切な客人で取引相手だ。くれぐれも怪我をさせることのないように」

 魔王は黒鍵騎士に観光案内を命じました。

 多くの魔族から一目置かれる魔王陛下の側近は恭しく頭を下げてから、

「承りました。この黒鍵にかけて魔女殿をお守りいたしましょう」

 と言いました。

「護衛だけじゃなくて案内もよろしくね」

「もちろんでございます」

 こうして魔女はハルマ大陸の観光ガイドをゲットするのでした。



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