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ある日のクリスマス

「じんぐるべ~る、じんぐるべ~る♪」

 魔女はお外で歌っていました。

 おん……いえ、前よりはマシになっているかもしれません。

 浮遊魔法を使いながら、もみの木に様々な飾り付けをしています。

 きらきらした玉やモールなどを付けたり巻いたりしていきます。

「☆+。・゜8(´∀`8*))ワクワク((*8´∀`)8゜・。+☆」

 スカルくん達はその様子をどきどきわくわくしながら眺めています。

 もみの木が飾り付けられていくのが嬉しいようです。

「ますたぁ、なにしてるの?」

 にゃんこが出てきました。

 雪に足跡を残しながら、魔女を見上げます。

「飾り付けだよ~。今日はクリスマスだからね」

「くりすますってなに?」

「磔ゴッドの誕生日」

「?」

 信徒の方ごめんなさいごめんなさい。

「まあこうやって樹に飾り付けしたり、ご馳走食べたりする日だよ」

「ごちそうっ!?」

 飾り付けよりもご馳走に目を輝かせるにゃんこでした。

 正直すぎます。

 花より団子、ツリーよりローストチキンです。

 そんなにゃんこを微笑ましく見守りながら、魔女は雪の上に降り立ちました。

 派手に飾り付けられたもみの木を見上げながら、ちょっと不満そうに頬を膨らませます。

「うーん。てっぺんの飾りが足りないなぁ」

「てっぺんのかざり?」

「うん。大きな星とか飾ったりするんだけどね。飾りが足りなくなっちゃってさ」

「きいろいおほしさま?」

「そう。アレがないとクリスマスツリーとは言えない」

 こだわりがあるようです。

「じゃあスカルくんのあたまをきいろくぬってかざりつけるのはどうかな?」

「ヒィィ((ll゜゜Д゜゜ll))ィィ!!!」

 とんでもないことをのたまったにゃんこに、スカルくん一同が震え上がりました。

「いいかもね、それ」

 魔女はにんまりと振り返りました。

「ギャァ━━il|liノ)゜Д゜(ヽil|li━━ァァッッ!!!!」

 当然、スカルくん達は逃げ出します。

 しかし魔女はそんな行動を許すほど甘くありません。

「にゃんこ。涙目の上目遣い」

「にゃ! うりゅりゅ……」

 にゃんこは魔女に言われた通り、涙目の上目遣いで近くにいたスカルくんを見上げました。

「(:.;゜;∀;゜;.:)」

 このにゃんこは世界最強です。

 この状態のにゃんこを拒絶出来るわけがありません。

 硬直したまま非常に困っているスカルくんの背後から、魔女が遠慮容赦情けの欠片もなく頭を奪い取りました。

「Σ(Д`|||ノ)ノ」

 魔法で黄色く染め上げて、そのままもみの木のてっぺんに引っ掛けました。

「よし、完成!」

「かんせーい!」

 こうして一風変わったクリスマスツリーが完成するのでした。

「ますたぁ、ごちそうは?」

「あるよ~。一緒に食べよう」

「たべる~!」

 魔女とにゃんこは家の中に入っていきます。

「。゜+(σ′д`。)+゜・クスン...」

 もみの木のてっぺんで飾りになったスカルくんは、一人寂しく涙するのでした。

 ……もちろん涙は出ませんが。



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