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魔王以外はめでたしめでたし


「ま、まさかこのまま後宮に、ロリハーレムにとどまりたい、なんて言わないよな……?」

 リヒテンダールが恐る恐るセレナに問いかけます。

「ええと、ちょっと迷ってる、かも?」

「んなっ!」

「なんとっ! 余はもちろん大歓迎だぞ!」

「黙れロリコン!」

 リヒテンダールが『ががーんっ!』となり、魔王が『きらーんっ!』と目を光らせ、またリヒテンダールが魔王に罵声を浴びせる、というやり取りになっていました。

「うふふ。嘘よ~。そこまで薄情じゃないわ~。リヒテンダールが折角頑張ってくれたのに、そこを台無しにするようなことはできないわよね」

「ほっ……」

 ほっとするリヒテンダールと、

「ちっ……!!」

 本気で忌々しげに舌打ちをする魔王がいました。

 魔王もいい加減往生際が悪いですよね。

 王の器としてはかなり問題があると思いますが、しかしロリコンとしてはぶれないという強みでもあるのかもしれません。

「それでは魔王様。短い間でしたがお世話になりました。これでさようならですがいつまでもお元気で」

 セスナは礼儀正しく魔王に頭を下げます。

「うぅ。余が恋しくなったらいつでも戻ってきてよいのだぞ」

 未練がましすぎますねぇ。

「魔王様が恋しくなることはないでしょうが、ここには友達がたくさんいますから、またちょくちょくお邪魔してもよろしいでしょうか?」

「大歓迎だ! なんなら泊まっていってくれても!」

「それは遠慮しておきます。リヒテンダールが悲しみますので」

「むむうっ!」

「セスナ……!」

 ようやく、本当の意味でセスナが自分の手元に帰ってきてくれたのだと悟ったリヒテンダールは感激して涙ぐみました。

 奪われたり傷つけられたり大変なことばかりですが、ここまできてようやく報われたようです。

「にゃんこもありがとうな。お前があの時ゆずってくれなかったら、俺はセスナを取り戻せていたかどうか分からなかった」

 にゃんこの頭をくしゃくしゃとなでながらお礼を言います。

「どういたしまして~。えっと、すえながくおしあわせに……でいいんだっけ?」

 ますたぁを見上げながらにゃんこが定番のセリフを言います。

「うん。よくできました。にゃんこ」

 魔女がなでなでとにゃんこを褒めてあげます。

「そっか。君がにゃんこの大好きな人、なんだな」

「まあね~」

「大事にしてやれよ。いい子(猫?)なんだから」

「もちろん。大事にもふもふするわよ」

「もふもふ?」

「こっちの話」

「そうか」

 と、こんなやり取りをしてから、リヒテンダールとセスナは魔王城をあとにするのでした。

 魔王以外はめでたしめでたし?



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