表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
353/363

逆ハーレムの野望

 優勝者リヒテンダール、準優勝にゃんこ、最終勝者魔王という結末で、トーナメントは終了しました。

 頬を腫らした魔王は貴賓席に戻り、魔女を恨めし気に睨みつけています。

「まったく。一対一の戦いに介入するなど卑怯者のすることだぞ……」

 魔女の所為でリヒテンダールに殴られたことをしばらくは根に持ってしまいそうです。

 まあ魔王がいくら根に持ったところで気にするような魔女ではないのですが。

「あいにくと『魔女』は卑怯な生き物だからね~」

「くっ……」

「それに一発ぐらいは殴らせてあげたいじゃん。それぐらいの恨みは引き受けるべきだと思うし」

「冗談ではないわっ! 結局余のロリハーレムが一人減ってしまうし……まったく踏んだり蹴ったりだぞ!」

「……一人ぐらいでいつまでも根に持たないでよ」

「じゃあ魔女が代わりに入ってくれ」

「お断りよ。私はにゃんこと黒鍵騎士のもふもふ逆ハーレムを作る予定なんだから」

「私を逆ハーレムのメンバーにしようとしないでくださいっ!」

 魔女の野望に黒鍵騎士が突っ込みを入れます。

「じゃあ二股! ハーレムじゃなくてにゃんこと黒鍵騎士の二股で我慢するから~!」

「そういう問題じゃありません!」

「いいじゃんいいじゃん~!」

「離してくださいーっ!」

「よいではないかよいではないか~!」

「あっ! 尻尾は触らないでくださいーっ! っ!!」

 いつの間にか黒鍵騎士へのアタック、そしてセクハラになってしまいました。

 魔王のことはすっかり忘れています。

「……寂しい。余の扱いが酷過ぎる」

 魔王が一人いじけています。

 魔女の妨害で殴られるし、ハーレムからは一人引き抜かれてしまうし、更には将来的には側近まで引き抜かれてしまいそうな予感がして魔王はとても切ない気持ちになるのでした。

「黒鍵騎士もそろそろ観念して私に籠絡されればいいのにね~。そうしたら毎日毎日もふもふもふもふ可愛がってあげるのに~」

 ごろごろ甘えながら魔女が勝手なことを言います。

「もふもふされたくないから拒否してるんじゃないですかっ!」

「え? じゃあセクハラしなかったら受け入れてくれるの?」

「………………」

「あ、いや、やっぱり今のナシ。もふもふは私の生き甲斐だから我慢するのは無理」

「………………」

 もう何をどう返事していいのか分からなくて困り果てる黒鍵騎士なのでした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ