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美形魔剣使い


「まけんつかい……?」

「そうだよ。巫女猫くん」

 リヒテンダールは黒い魔剣を構えながらにっこりと微笑みました。

 貴公子の微笑は会場すべての女性を虜にしてしまい、きゃーという黄色い声が上がりました。

 同時に会場すべての男性が険悪な雰囲気になります。

 色男くたばれ……と視線が訴えています。

 そんな視線と怨念を華麗にスルーしてから、リヒテンダールは魔剣を構えます。

「可愛くても手加減しないから安心してくれたまえ」

「べ、べつにてかげんしてほしいわけじゃないよ。しんけんにたたかってくれなきゃいやだよ」

「それは嬉しいことを言ってくれる」

 リヒテンダールは口元を釣り上げてから魔剣を振ってきました。

「にゃ?」

 届かない位置から魔剣を振られて何をしたかったのか分からなかったにゃんこは首をかしげます。

「みゃ!?」

 にゃんこのそばを風が通り抜けました。

 恐ろしい魔力を纏った風が通り過ぎ、そしてずっと後ろにある壁がどっかーんと壊れました。

 観客席ギリギリまで破壊された壁ににゃんこが青ざめています。

 観客はもっと青ざめていることでしょう。

 リヒテンダールは悠然と笑ったままです。

「それがまけんのちから?」

 にゃんこが質問をすると、リヒテンダールは頷きます。

「その通りだ。風の魔剣シルフェンリス。魔力を込めて振ることで風の刃を飛ばすことが出来る」

「えっと、かまいたちみたいなものかなぁ」

「その通り。見えない攻撃だから防ぎようがないだろう?」

「た、たしかにみえないけど、さいしょはなんではずしたの?」

「そりゃあ一撃で決着がついたらつまらないからさ」

「………………」

「これでもフェアにやりあいたいんだよ。せっかくの決勝戦だからね。エロビクトリーでもなく、偶然でもなく、最後ぐらいはちゃんと戦って勝とうよ、巫女猫くん」

「べ、べつにすきでえろびくとりったわけじゃないもん」

「分かってるさ。でも男としてはちょっとうらやましいかな」

「………………」

 見えないかまいたちを飛ばしてくるリヒテンダールの攻略法をにゃんこは必死に考えていました。



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