最後の敵?
そしていよいよ決勝戦です。
魔女のちっぱいに挟まれたにゃんこもようやく復活して、決勝戦に臨みます。
「れでぃーちゅあんどじぇんとるみゃーん! ハルマ大陸ロリコン誅殺トーナメントもいよいよ決勝戦となりましたー! あのくされロリコンに天誅を下すのはいったい誰になるのか!? この戦いで決まります!」
「うおおおおおおおーーっ!」
「ロリコンに天罰をー!」
「そして俺たちにロリ美少女攻略チャンスを!」
「魔王の横暴を許すなーっ!」
会場大盛り上がりですね。
魔王の嫌われっぷりも半端じゃありません。
「あははははは! にゃんこ頑張れ~!」
そして魔女が貴賓席で大笑いしています。
魔王はむくれていますが、黒鍵騎士を含めた誰一人として見向きもしてくれません。
「にゃんこはうらやましいなぁ。俺もさっきの妖精さんにぱふぱふしてもらいたかったぜ……」
勇者は指をくわえながらにゃんこを見ています。
そんなことをする暇があるなら選手控室に突撃して土下座してお願いしてみたほうが建設的だと思うんですが、一応はにゃんこの師匠の一人として決勝戦は見届けるつもりのようです。
にゃんこの決勝戦でなければ突撃して土下座していたかもしれません。
自分から喜んでぱふぱふさせてくれるようなお姉さんですから、勇者がふるいつかないわけがないのです。
「決勝戦最後の組み合わせはエロビクトリーで勝ち進んできた巫女猫にゃんこ選手と……」
「えろびくとりーっていわないでよー! すきでやったんじゃないもんっ!」
すべての男を敵に回しそうなセリフを無邪気に言いますが、しかし見た目が美少女巫女猫なので会場も険悪な雰囲気にはなっていません。
命拾いしましたね。
「そしてー! 今大会の大・本・命! 魔剣使いリヒテンダール選手の登場です!」
「にゃ?」
にゃんこの前にいる決勝戦の相手は、今までとはまったく違っていました。
青い騎士服に黒い魔剣、そして大変な美青年だったのです。
黒い髪をさらりと後ろに流して笑いかけると、たいていの女性はうっとりとなってしまうような、そんな美青年でした。




