マジで揉ませてくれる系!?
そして準決勝が始まります。
「いよいよ準決勝です。先ほどは見事なエロ勝利をもたらしてくれた巫女猫にゃんこ選手と! そして華麗なる剣さばきでここまで勝ち上がってきた妖精剣士ティゼット選手の入場ですっ!」
盛り上がる司会ににゃんこがばたばたと手を振ります。
「えろしょうりっていわないでぇっ!」
にゃんことしてはそんなつもりはなかったのに、いつの間にかエロ選手扱いされていることに大変気まずい思いをしているようです。
「あら~。君おっぱいに興味があるの? お姉さんの揉んでみる?」
「え?」
ぼいーん、と巨乳をゆらゆら突き出されたにゃんこが困ったように後ずさります。
「え、えんりょしておく。ぼくはまだこどもだから」
「あら残念」
「えへへ」
別にさっきだって好きで揉んだわけではないのに、とよほど文句を言いたいのですが、この場面も被害者であるカグヤが見ているかもしれないと思うと迂闊なことは言えません。
離れた貴賓席で勇者だけが、
「マジで揉ませてくれる系!? あとで誘いをかけてみるかっ!」
と鼻息荒く興奮しています。
「さいてー……」
と、魔女の軽蔑視線が勇者に突き刺さりますが、ロリコンではないので痛くも痒くもありません。
「じゃあはじめよっか、巫女猫くん」
「あ、うん」
すらりと大型の剣を引き抜いたティゼットがにっこりとほほ笑みます。
美人のスマイルは目の保養ですが、にゃんこは呪文を口にして魔力剣を出現させました。
さすがに素手で相手をするには分が悪いと判断したようです。
「お、結構強力そうね、その剣」
「うん。ますたぁじきでんだから。えっとね、つばぜりあうとでんげきこうげきをあいてにあたえるんだって」
にゃんこが素直にばらします。
「……そういうのはばらしちゃまずいんじゃない?」
呆れた視線でにゃんこに言います。
「あ。しつもんされたからつい……」
にゃんこが気まずそうに笑いました。




