にゃんこのぴんち
にゃんこはカグヤの角に触るために全開で仕掛けました。
大技は控えて小技から繰り出していきます。
ジャブパンチを繰り返しながらどんどん攻めています。
にゃんぱんちならぬにゃんじゃぶですね。
スピード重視で繰り出しているジャブの連続ですが、カグヤは軽やかに避けてしまいます。
まるで舞っているようで、にゃんこはその動きにも見とれてしまいます。
「わあ、すごーい」
にゃんこは感嘆の声を上げました。
「ちなみに私が勝ったら尻尾に触らせてもらうからね」
「ええ~。ぼくのしっぽはますたぁせんようなんだよ~」
「何よ。人の角に触ろうとしたくせに自分は何のリスクも負わないつもり?」
カグヤがむくれながら言うのでにゃんこも気まずくなってしまいます。
「うみゅ。わかった。ぼくがまけたらしっぽをさわらせる」
「その言葉確かに聞いたわ」
「にゃっ!?」
いきなりの跳び蹴りを仕掛けてくるカグヤです。
にゃんこはあわてて避けます。
しかし上に蹴り上げられた足は、そのままかかと落としのごとく降りてきたのです。
「にゃぎーっ!」
思いっきり肩を蹴られてしまったにゃんこは悲鳴を上げてしまいます。
距離をとるためにジャンプして下がりました。
「いたたた……」
肩を痛めてしまったにゃんこはさすりさすりしながら回復魔法をかけていきます。
「あ、ずるい。試合中に回復しないでよ」
折角与えたダメージを回復されてしまったカグヤはちょっぴり憤慨しました。
「だっていたいんだもん」
にゃんこは回復した肩をぐるぐるまわしながら言います。
そして今度はにゃんこの方から突撃します。
「にゃっ!」
ジャブではなくそれなりに力を込めた右ストレートです。
しかしカグヤはそれを避けてしまいます。
「わあっ!?」
しかも避けただけではなく両腕でにゃんこの腕をつかんで、そのまま自分の方に引き倒してしまいました。
「いたたたたたー! いたいいたいいたいーっ!!」
にゃんこは右腕の関節を極められてしまいました。
大ピンチです。




