心の中では余のものなのだ!
魔女はお仕置きの逆襲をしたのちは、後ろから黒鍵騎士に抱きついています。
大きな背中にすりすり、足元でもふもふ、すっかりご満悦ですね。
「うぅ……」
いざという時は強く出られる黒鍵騎士ですが、もちろんそのまま素直にお仕置きを受けてくれるような魔女ではないので、逆襲はしっかりされてしまうのでした。
「魔女殿……あんまりくっつかれると困るのですが……」
背中にぴったりくっつかれているので、ささやかなふくらみがしっかりと当たっています。
「ぐぬぬぬ……」
魔王はそれを羨ましそうに眺めているのでした。
「落ち着けよ。っていうか魔女についてはもう諦めたらどうだ? 黒鍵騎士にぞっこんじゃないか」
勇者がそれを呆れつつも宥めています。
なんだかんだで仲のいい勇者と魔王ですよねこの二人。
巨乳派と微乳派の天敵同士ではありますが。
「お前も魔王なら部下の幸せぐらいは願ってもいいだろう?」
「うぅ~……確かに黒鍵騎士には世話になっているし、幸せになってもらいたいとは思うが……よりにもよってロリ美少女を奪われるとは……」
「いや、最初から魔王のものじゃねえし」
「心の中では余のものだったのだ!」
「うわあ。勝手な理屈だなぁ」
妄想は自由ということですね。
そんなやりとりを遠くに、魔女と黒鍵騎士はいちゃいちゃしています。
困る黒鍵騎士に対して魔女が一方的にいちゃいちゃしているという感じではありますが。
「ちなみに胸を当てているのはわざとだからね♪」
「………………」
押し当てるほどのボリュームはないじゃないですか、などと言おうものならセクハラ地獄に陥るのでもちろん口をつぐみます。
黒鍵騎士はロリコンではないのでちっぱいを押し当てられても興奮はしません。
ただ、ちょっぴり困っているだけです。
魔王なら速攻で押し倒してお注射モードスタンバイ・カタパルト発射! になるんでしょうけど。
そんないちゃいちゃな空気をよそに、にゃんこの三回戦が始まります。




