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やっぱりにゃんぱんち!

「しーるどぼーぎょ!」

 にゃんこはシールド防御の呪文を唱えました。

 身体全体を対魔法防壁で固めています。

 ミコトの射撃魔法ならこれで十分に防げます。

「たあー!」

 そしてれっつ突撃です。

「くっ!?」

 射撃魔法は確かに当っているのに、まったくダメージを与えていないことに気づいたミコトは威力拡張魔法に切り替えました。

 魔力集束で威力を上げた砲撃魔法をにゃんこに狙い定めます。

「にゃう!」

 そして砲撃。

 しかしにゃんこは紙一重でそれを避けました。

 にゃんこは勇者とも修行をしているので体術レベルはかなり高いのです。

 機関銃のような連続砲撃ならまだしも、一点集中型の砲撃ならば確実に避けられるのです。

「ふところ、やっとはいれた」

 そして懐に入ります。

「しまった!」

 とっさに距離を取ろうとするミコトですが、すでに時は遅しです。

 にゃんこはこぶしに魔力を集中させて決め技に入ります。

 決め技、すなわち……

「にゃーんぱーんちっ!」

「ぐはあっ!」

 にゃんぱんちが綺麗に決まりました。

 十メートルほど上空に飛ばされて、そのまま地面に激突。

 たぶん、生きています。

 しかしダメージが大きすぎて尻尾がしおれてしまいました。

 貴賓席からそれを見ていた魔女が、

「ああ、もふもふが……」

 と、実に残念そうな声を上げていたことはもちろん内緒です。

 にゃんこの応援よりももふもふが気になったなんてとてもじゃないけど言えません。

 にゃんこが泣いてしまいます。

「びくとりー!」

 にゃんこがピースサインで魔女に叫びました。

「うん。えらいえらい」

 魔女もひらひらと手を振っています。

「……でももふもふ」

「魔女殿。にゃんこにチクりますよ」

 もふもふなでなでされていた黒鍵騎士がぼそりと言いました。

「黒鍵騎士の意地悪!」

「にゃんこが頑張っているんですから素直に応援してください。あんな女装までさせて……」

 あんな女装までさせているのに肝心の魔女がほかのもふもふを気にしているという事実こそが、何よりも哀れだと黒鍵騎士は嘆くのでした。

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