いちも……
「まったく。失礼にもほどがあるわ! 余がロリハリボディ以外に欲情するとでも思っておるのか!」
貴賓席で一人憤慨する魔王でした。
「いや、でもさ。ぺったん胸という部分では共通しているわけだし、にゃんこの可愛さは異常だから、魔王だってうっかりするとにゃんこにファイト一発な気持ちになったりするんじゃねえの?」
勇者が何気なく言います。
「おぞましいことを言うな! いくら平坦胸だろうと股間のイチモツだけはどうにもならんだろうがっ!」
「それもそうか」
いくら可愛くてもそこに目を移した瞬間、百年の恋も覚めるようです。
まあ真っ当な感性を持つ男なら当然ですね。
ロリコンが真っ当かどうかはこの際棚上げにするとして。
そんなことをしているうちににゃんこが戻ってきました。
「ますたぁただいま~」
「おかえり~」
戻ってきた瞬間にますたぁへと抱き付きます。
尻尾がゆらゆれと嬉しそうに揺れています。
「ぼくかったよ~」
「うん。がんばったね~。えらいえらい」
抱き付くにゃんこを甘やかしてひざまくらをしてあげます。
魔女はにゃんこを甘やかし放題甘やかします。
「えへへ~。つぎもがんばる~」
「うん。頑張って優勝目指そう」
「うん。目指す~」
微笑ましい目標ですね。
「優勝目指して公衆の面前で魔王にわんぱんち喰らわせてやれ~」
「いいの?」
「もちろん」
なでなでしながらご機嫌な魔女とにゃんこでした。
「よくない。ちっともよくないぞ……」
それを眺めながら不満そうに唸るのはもちろん魔王です。
にゃんこに負けるとは思っていない魔王ですが、魔女がなんらかの入れ知恵をしてしまった場合はそうとも言い切れません。
魔女の恐ろしさは本人自身の強さではなく、本人自身の頭のキレっぷりなのです。
ステータス的にはまったくのノーマルなのに、周りのものやため込んだ魔力を利用することにより魔王や勇者に匹敵する戦闘能力を手に入れてしまう恐るべき利用スキルなのです。
それらをにゃんこに適用した場合は……考えたくもない未来でした。




