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どっちがマシかな?

 そして第一回戦が開始されます。

 先程の選手宣誓をした魔族はシード枠を確保しているらしく、最初の方は顔を見せません。

「にゃう~」

 会場に姿を見せているのは白い耳尻尾を持った少年でした。

 緊張しているらしく、周りを見ておろおろしています。

 とても可愛らしいです。

「ああ~。おびえるにゃんこかーわーいーいー! 食べたい食べたい食べちゃいたい~♪」

 貴賓席から魔女が悶えています。

「あ、ますたぁだ」

 悶えるますたぁを発見してほっとするにゃんこでした。

 そんなものでほっとしないでもらいたいんですけど、にゃんこにとってますたぁがすべてなので仕方がありませんね。

 襲われるのはちょっぴり怖いですけど、やっぱりにゃんこはますたぁが大好きなのです。

「赤コーナーはにゃんこ選手です! 苦労人もとい黒鍵騎士様の紹介で飛び入り参加することになった期待の選手ですが、果たしてこの可愛らしい外見を裏切る強さを我々に見せてくれるのでしょうか?」

「ぼ、ぼくがんばるよ!」

 司会に対して律儀に言うにゃんこでした。

 胸元で両方のこぶしを握っているのがなんとも初々しいです。

 貴賓席で魔女が振り返ります。

「黒鍵騎士って苦労人なんだ。っていうかみんなにそんな風に思われてるんだ」

 しみじみと言いました。

「う……」

 何と答えたらいいものか、返答に迷う黒鍵騎士でした。

「そりゃまあこの魔王に仕えるなら苦労するのが当然だろう」

 そして勇者が代わりに答えます。

「それもそうだね~」

「そうだぞ。どこの世界の魔王が自分の側近にロリエロ本を買いに行かせるんだよ」

「それもそうだねぇ」

「まだ自分で巨乳エロ本を買いに行く俺のほうが謙虚ってもんだぜ」

「それはどうかなぁ」

「………………」

「………………」

 魔女と勇者の間で火花が散らされます。

 複雑な心境になる黒鍵騎士と、自分だけ蔑ろにされて不満そうに唸る魔王なのでした。

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