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開幕!

「ハルマ大陸全土から集まった勇士諸君よ! 今こそ再び覇を唱える時がやってきた! 我こそが最強だと思うのなら剣を取れ! 槍を掲げろ! 魔法を放て! 上り詰めた者こそが最強だ!」

 魔王城にある闘技場には、ぎゅうぎゅう詰め状態で魔族が集まっていました。

 参加者、観客、すべてを合わせると十万人を超えるのではという有様です。

 その中心で、司会者がマイクを片手に開幕の音頭をとっています。

 観客も参加者も盛り上がるようにするのが司会者の仕事です。

「四年に一度の下剋上イベント、ハルマ大陸統一トーナメント、ここに開幕だぜっ!」


 うおおおおおおーーーーーーーっ!!


 盛り上がる会場は熱気で満ち溢れています。

 魔王と勇者、そして魔女は貴賓席でその様子を眺めています。

「下剋上イベントとはまたしゃれた言い方をしてくれるね」

 魔女がご機嫌に言いました。

「まあ、事実そうだからな」

 魔王が複雑な表情で答えました。

 トーナメント優勝者は魔王陛下への挑戦権を獲得し、これに勝利すれば自分が魔王になれる、つまりは下剋上が成立してしまうのです。

 下剋上イベントとはよく言ったものです。

 参加者の方も盛り上がっているようで、選手宣誓が始まっています。

「へえ~、下剋上イベントにもそういうのがあるんだ~。『我々、選手一同は、スポーツマンシップに則り正々堂々と戦うことを誓います~』とか言っちゃうのかな? でも下剋上イベントにはあんまり似合わない気もするけど」

 魔女が面白そうに選手宣誓を眺めています。

「ぷくく……」

 勇者は肩を震わせて笑っています。

「ん? 何か面白いことでも始まるの?」

 それに気づいた魔女が勇者に振り返ります。

「まあ、聞いていれば分かる」

「うん」

 聞いてからのお楽しみのようです。

「………………」

 ご機嫌な勇者に対して、魔王だけが不機嫌そうに鼻を鳴らしていました。

 隣に控える黒鍵騎士は複雑な表情でため息をついています。

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