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大陸統一トーナメント

「大陸統一トーナメント?」

 魔王城で朝ご飯をごちそうになりながら、魔女は首をかしげました。

 テーブルには魔王と勇者と魔女とにゃんこと黒鍵騎士が座っています。

 五人で朝ご飯を食べている光景は、間違ってもほかの大陸の人間には見せられない光景でした。

「うむ。魔族は戦闘種族だからな。四年に一度、魔王城でその手の催しを行うのだ」

「へえ~。天下一●道会とかと似たようなものかな~」

「なんだそれは?」

「あっちの世界の漫画の話」

「そうか。まあ魔界で一番強いのは誰だ、というのを決める大会であるから間違ってはいないが」

「魔王が一番強いんじゃないの?」

「余は別枠だ。本大会には出場できん」

「なんで?」

「公平性を欠くからだ。優勝者のみが余に挑戦できることになっている」

「それって優勝者が魔王暗殺を企てたらすごく面白いことになりそうだよね」

「物騒なことをにやにやしながら言うな!」

「でも事実でしょ?」

「……それはそうだが」

 事実、大陸統一トーナメントにはそういう部分があるようです。

 一般魔族にも挑戦権を与えるという公平性。

 魔王の命を狙うためには、統一トーナメントで優勝して堂々と魔王を殺すのが一番いいのです。

 暗殺ではなく堂々とした決闘による勝利ならばどこからも文句は出ません。

 もちろん魔王はそういった手合いを毎年毎年返り討ちにしてきました。

 これは一般魔族に対する挑戦権であると同時に、魔王の力を国民に示すための儀式でもあるのです。

 最強なのは魔王である、という事実を国民に認識させるための通過儀礼ということですね。

「興味があるなら特等席に招待するが、どうだ?」

 せっかくの国を挙げてのイベントなので、魔女が自宅に帰ってしまう前に、もう少し滞在を延ばしてもらおうと、あわよくばその間に夜這いでもしてしまおうという下心も兼ねて魔王が提案しました。

 その下心は黒鍵騎士に見抜かれていた深々とため息をつかれますが、魔女にとってはそれこそ返り討ちにすればいいだけの話なのであまり気にしていないようです。

 魔女はあくまでも黒鍵騎士とにゃんこふたすじなのです。

 ……ひとすじではないのがポイントですね。


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