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手とりナニとり……

「うみゅ……」

 その日の夜、にゃんこは真っ赤になって本を読んでいました。

『キャベツ畑とコウノトリ』は、初心者用からじわじわとマニアックな展開までエロエロ教育を施してくれる優れた教本でもありました。

 ぱらりぱらりとページをめくるたびに、にゃんこは何とも言えない、初心な表情を見せてくれます。

「ええ、こんなことするの!?」

 ぼん、と赤くなるにゃんこはとてもとても可愛いですね。

 食べちゃいたいぐらい可愛いです。

 もふもふ尻尾なんて動揺し過ぎてさっきからぷらぷらふにゃふにゃなっています。

 毛先がぷるぷる震えているのも萌えポイントですね。

「い、いたいよ! これぜったいいたいよっ!?」

 肝心な部分にまで到達したとき、これ以上は無理、と本を閉じました。

 初めての性教育にしては上々、と言えるでしょう。

 本番シーンばっちりまで到達できましたからね。

「にゃ~ん~こ~♪」

「うみゃあっ!」

 そして襲いかかる驚異はもちろんますたぁでした。

「ま、ますたぁ……」

 押し倒されたにゃんこは潤んだ瞳で魔女を見上げます。

「大丈夫大丈夫。怖くないよ~。優しくしてあげるからね~♪ はあはあ」

「はないきがこわいよー!」

「気のせい気のせい」

 気のせいではありません。

 魔女の瞳は血走っています。

 獲物を狙う獅子の瞳です。

 逃げられるはずがありません。

「ま、ますたぁ。やっぱりもうちょっとおべんきょうしてから……ぼくこういうのよくわからないし……」

「大丈夫! 手とりナニとり教えてあげるからっ!」

 といっても魔女も経験があるわけではありません。

 耳年増なだけですが、それでも腐った本を愛するだけあって知識量だけはぱないかもしれません。

 にゃんこのズボンに手をかけたところで、

「いただきまーす!」

「うみゃああああーっ!」

 にゃんこの悲鳴が魔王城に響き渡り、そして……

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