いい趣味してるよねぇ
魔王城で厄介になることに決めた魔女は、さっそく出向くことにしました。
「魔王、久しぶり」
「おう! 魔女ではないか! ついに余とベッドインする気になったのか!?」
ロリコン魔王は嬉々としてロリ魔女を出迎えてくれました。
「ううん。ベッドインするなら黒鍵騎士とだね♪」
「なにいっ!」
魔女のセリフに魔王が憤慨しました。
「ま、まさかお前らそういう関係なのか!? 黒鍵騎士! 余を差し置いて魔女とあんなことやこんなことをしまくったのか!? 魔女のちっぱい撫で回してお注射したのか!?」
「下品にもほどがあります!!」
黒鍵騎士は手にしていた紙袋、つまりは魔王に命じられたロリエロ本の詰まった袋で主の頭をどつき倒しました。
「ぎゃふんっ!」
その際、袋が破けて本が床に散らばってしまいました。
「ぎゃーっ! 余のロリ美少女たちがーっ!!」
情けない悲鳴を上げながらロリエロ本をかき集める魔王でした。
これがハルマ大陸を総べる偉大なる魔王陛下の姿かと思うと、実に嘆かわしいですね。
魔女はそんな魔王をじーっと眺めながら、魔王のロリエロ本をじーっと眺めながら、
「いい趣味してるよねぇ」
と、皮肉りました。
やや軽蔑混じりの声でした。
しかし、
「そうだろう! 実にいい趣味だろう! やっと魔女も分かってくれたか!」
魔王は額面通りに受け取ってしまいました。
ロリ趣味に関しては皮肉ダメージ完全防御な魔王陛下です。
「………………」
喜ばせるために言ったんじゃないんだけどなぁ、とため息をつく魔女でした。
しかしあまり深く突っ込むと自分の購入した薔薇本にまで追及の手が伸びてきそうな予感がしたので、おとなしく引き下がることにしました。




