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魔女殿ならまだしも……

「………………」

 現れたのは黒鍵騎士でした。

 エロ本屋さんに黒鍵騎士。

 一体あの黒鍵騎士がどんな本を買い求めているのか。

 それを想像するだけで。

「うぐう~~……」

 魔女が妄想で悶えてしまいました。

「勇者殿はいつものこととして、どうして魔女殿とにゃんこがここへ?」

 黒鍵騎士は首をかしげています。

「ああ、俺が案内した」

 勇者があっさりと答えました。

「……子供を案内するところではないでしょう。しかも魔女殿ならまだしもにゃんこにはまだ早いですよ」

 黒鍵騎士が非難に満ちた視線を勇者に向けます。

「……私ならまだしもなんだ」

 遠慮ない物言いにちょっぴり傷つく魔女なのでした。

 黒鍵騎士も最近は魔女に対して遠慮がなくなっています。

 遠慮していると追い込まれる一方だということをいい加減悟ったようです。

「仕方ないだろ。にゃんこの教育のために頼まれたんだから」

「エロ本屋への案内を?」

「エロ本屋への案内を」

「………………」

 黒鍵騎士が沈黙します。

 魔女に視線を移します。

「さあ、帰ろうか、にゃんこ」

 魔女もこれはやばいと悟って逃げ出そうとします。

 会計はちょうど終わったところで、大量の薔薇本とにゃんこの教本を鞄に詰め込んで、脱兎のごとく逃げ出そうとします。

「逃しませんよ、魔女殿」

「ふぎゃっ!」

 背後から襟首をつままれて、そのまま締め上げられます。

 じたばたと暴れる魔女ですが、さすがに魔王や勇者相手ではなく黒鍵騎士なので乱暴な反撃はできませんでした。

 不用意に痛めつけてもふもふの毛並みが荒れてしまっては大変です。

「さて、答えてもらいましょうか。どうしてにゃんこにいかがわいい教育をしようとおもったんですか?」

 じとー、とした目線がとても怖いです。

 しかしそれに怯むような魔女ではありません。

 逃げるのに失敗したなら反撃あるのみです。

 もちろん暴力以外で。

「そんなのにゃんこにエロ教育をして私が襲いかかっても罪悪感を抱かないようにするために決まってるじゃない!」

 言い切りました。

 十三歳のロリ美少女が言い切りました。

「堂々と宣言することではないでしょうがっ!」

「ふひゃあああああ!!」

 お説教も兼ねて、黒鍵騎士は魔女の両頬を思いっきり引っ張るのでした。


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