表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/363

触手キター!

 カルラド大陸の南にある渦巻き……もとい過流海域は、年中無休で海水が渦巻いている場所です。

 強烈な渦を巻いているので、このあたりは船も近づくことが出来ません。

 しかし、

「船で近づけないなら飛んでいけばいいもんね~」

 白銀龍の背に乗った魔女はごきげんに呟きました。

 既に五時間は飛行しています。

「まあ、人間には難しいだろうな」

 白銀龍がぼそりと呟きます。

「だろうねぇ。かれこれ五時間くらい飛行してるよね」

「浜の辺りから計算するなら三時間ほどだな。人間の魔力ではとっくに限界が来ているはずだ」

「うん。私でも蓄積魔力を使わないと無理かな。先代魔女って知識はかなり膨大だったし魔力運用もかなり上手だったみたいだけど、魔力そのものはあんまり大きくないみたいなんだよね。土地の魔力を上手に使っていたみたい」

「そうだろうな。あの土地は魔力のバックアップ用途だったのだろう」

「今はスカルくん達の動力源だけどね~」

「……死者を酷使するのは趣味がいいとは言えないな」

「そう? でもにゃんこと遊んでるときのスカルくんって結構楽しそうだよ」

「……我には悲鳴を上げているように見えたのだがな」

 白銀龍はにゃんことチビ龍が残虐パズルで遊んでいた光景を思い出します。

 世にも恐ろしい光景だったように思えました。

 人骨パズル……子供の無邪気な残酷さって本当に恐ろしいですね。

「大丈夫大丈夫。あと一か月もすればそれが快感になってマゾ趣味に目覚めるはずだから」

「……いいのか、それで」

 いいわけがありません。

 そんなものに目覚めさせてどうするつもりなのでしょう。

「あいつらにゃんこの萌えさえあれば喜んで働いてくれるからノープロブレムだよ」

「……まあ、深くは突っ込まないでおこう」

 深く考えてはいけない問題のような気がします。


 過流海域に到着しました。

「へえ~、すっごい渦巻きだねぇ」

 魔女は感心したように呟きます。

 すでに白銀龍の背からは降りています。

 ルナソールに乗って浮遊中です。

 白銀龍の方は人型になっています。龍の身体よりも人型の方が作業しやすいからでしょう。

「はいこれ、容れ物」

 魔女は十リットルタンクを白銀龍に手渡しました。四●元ポケッ……ではなく、魔女の鞄から取り出されたものです。

「随分と必要なのだな」

「自分の研究用も兼ねてるから」

「……なるほど」

 いつも通りの魔女でした。

 白銀龍はタンクを受け取ってから中心部の海水を汲み入れていきます。

 満タンまで入れてから蓋を閉めました。

「これでよいか、魔女殿」

「おっけーなのだっ!」

 魔女はタンクを受け取って鞄に入れました。

「じゃ、帰ろっか。渦巻いてるのずっと見てたら目が回っちゃった」

「そうだな。特に見所がある場所でもないし」

 白銀龍は龍の身体に戻って魔女を背に乗せました。

 そのまま陸に向けて飛び立つ筈だったのですが、

「!?」

「わひゃっ!?」

 いきなり、海水が襲いかかってきました。

「な、なんだっ!?」

「わ、わかんないよっ!? う、海の触手!? 触手巻きつけプレイ!?」

「何の話だ!?」

 海水が触手の形になって魔女と白銀龍に巻きついていきます。

 その様子はまさしく触手巻きつけプレイと呼ぶにふさわしいのですが、地球世界の表現は残念ながら白銀龍の理解を得られなかったようです。

 理解されても困ります。エロ方面ですし。

「くっ!」

「ひ、引き込まれる!?」

 触手は魔女と白銀龍を海の中へと引きずり込んでいきました。

 どうやら何者かが二人を招待しているようです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ