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あえぎ声は内緒♪

「あ、これお土産。今日はこれを届けにきたんだよね~」

 魔女は鞄の中から二体の土人形を取り出して渡しました。

 手のひらサイズの可愛らしい龍が二匹いたのです。

「可愛らしいね。これも魔法具?」

「そう。身代わりアイテム。肌身離さず持っておけばいつか大ダメージを受けたときに身代わりってくれるよ」

「それは便利だな。大切に持たせてもらうよ」

「ありがとう、魔女さん」

 白銀龍ママとチビ龍は魔女にお礼を言いました。

 あえぎ声のことはもちろん秘密です。

 その時のお楽しみ、みたいな。

「どういたしまして~」

「お礼にオリハルコンを持っていくか?」

「んー。まだ結構あるけど、くれるなら貰っておこうかな。武器や杖だけじゃなくて、魔法薬にも使い道がありそうだって最近の研究で分かったから」

「そうか。完成したら見せに来てくれないか。少し興味がある」

「いいよ。どんなものが出来るかはまだ分からないけど、約束する」

「楽しみにしている」


「ぼくたちはひさしぶりにあそぼうか」

「うん。いいよ。何する?」

「ええと、すかるくんはもういないからぶんかいぱずるはできないし……」

 恐ろしいことを無邪気に思い出すにゃんこでした。

 この場にスカルくんがいたらさぞかし震え上がっていることでしょう。

「じゃあこの山脈を探検しない? 僕の背中に乗せてあげる」

「いいのっ!?」

 龍の背中に乗るのは初めての体験で、にゃんこはわくわくどきどきに表情を輝かせました。

「ますたぁ。いってきてもいい?」

「いいよ。気を付けてね」

「うんっ!」

 にゃんことチビ龍はいそいそと洞窟を出て行きました。


「魔女殿もすっかり保護者だな。見た目は子供同士に見えるのに」

「あはは。まあ保護者っていうより飼い主って感じだけどね」

「猫が素体の使い魔だけにか」

「うん。でもにゃんこといると楽しいよ」

 あの頃は無邪気に楽しそうで、少しだけ寂しかった魔女ですが、今はその寂しさもかなり薄れています。

 それが分かった白銀龍ママは魔女の頭をくしゃくしゃと撫でるのでした。


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