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久しぶりの再会

 ルナソールの空中飛行で銀龍山脈へれっつらごーした魔女とにゃんこは、しばらく空の旅を楽しんだあと、目的地へと到着しました。

 山脈付近では白銀龍ママがチビ龍といっしょに飛んでいました。

 どうやらこの親子も空中散歩をしていたようです。

「おや、誰かと思えば魔女殿ではないか」

 白銀龍ママが近くに寄ってきて声をかけてきました。

「うん。久し振り。チビ龍は元気そうだね」

「ああ。魔女殿の薬が効果を発揮しているよ。最近はすっかり体調も安定しているし、身体も随分と大きくなった」

「あ……うん。随分とというか、かなりというか……」

 魔女がチビ龍だったものを見てちょっとびっくりしています。

「にゃんこ久し振りだなー!」

「ち、ちびりゅー!? っていうかちびくにゃい!? おっきーっ!」

 にゃんこが魔女の後ろでさらにびっくりしていました。

「えへへ。育ったでしょ?」

 チビ龍は何故か得意気です。

 にゃんこが全く育っていない所為かもしれません。

「ぼ、ぼくだってほんとうはおっきくなれるはずなんだからね! ますたぁのえっと……しょたしゅみ……? でこのままのすがたなんだからねっ!」

「………………」

「………………」

 にゃんこが純真無垢に魔女の残念な性癖を暴露してくれました。

 まだあまり魔女の変態……もとい特異性に耐性のない親子は、ものすごく冷たい視線を魔女に向けます。

「な……なによ……」

 魔女が親子の視線に少しだけ気圧されました。

「いや、まあ、にゃんこは魔女殿の使い魔だからその扱いは魔女殿に一任されるべきなのだが……その性癖はどうかと思うというか……」

「にゃんこだって大きくなったら格好良くなると思うし……」

 白銀龍ママが遠慮気味に、チビ龍もにゃんこを気遣って主張してみます。

「可愛かったらそれでいいの! もふもふ萌えが全てなの!」

 魔女は言い切りました。

 すべては自らの趣味と実益ともふもふの為だと。

「そうか」

 白銀龍ママはそれ以上何も言いませんでした。

 これ以上言っても無駄だと分かったのでしょう。

 これはあくまでも魔女とにゃんこの問題であり、部外者が口を出す問題ではないという判断を下しました。

 しかし魔女がにゃんこだけではなく黒鍵騎士という見知らぬもふもふに対しても度し難いセクハラを強要していたという事実を知られた場合、さすがに年長者として一時間ほど説教していたかもしれません。


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