土人形を作ろう!
黒鍵騎士が……もふもふがおうちに帰ってしまったので魔女はしばらく元気がありませんでした。
「にゃう~」
気が抜けたようにソファでごろごろする魔女は、にゃんこを抱き枕にしたままだらけていました。
「ますたぁ~、そろそろうごかないとからだなまっちゃうよ~」
「ん~。分かってるんだけどね~。寂しくって」
「またまおーじょうにいく?」
「行きたいけど、やめとく」
いくらなんでもいなくなってすぐに押しかけるようではこらえ性がなさすぎでしょう、という結論になりました。
「ごろごろしてても始まらないし、どこかに旅行でも行こうかな~」
「いいね! ぼくもつれていってね!」
「もちろん連れて行くよ~。にゃんこのもふもふは常に私の傍に置いておくんだから~」
「……もふもふだけ?」
「もちろんにゃんこも可愛いよ~」
「えへへ~」
ロリショタバカップルのような甘々コンビの姿がそこにはありました。
「それとも何か作ろうかな~」
とにかく動くことが大事だということで、魔女はそう言います。
「まほーやく?」
「んー。魔法薬はしばらくいいや。なんかもっとこう、形あるものがいいな。アミュレットとか、魔法具とか」
「おまもり~」
「よし!」
がばっと魔女が起き上がります。
「にゃっ!?」
いきなり起き上がったのでにゃんこがソファから転げ落ちました。
ごろりんもふもふです。
「土人形を作ろう!」
「おにんぎょう?」
「そう! お人形!」
魔女はガッツポーズでやる気を漲らせました。
次回、土人形アイテム作成編が始まります!
……多分。
「じゃあにゃんこ~、ちょっと尻尾だして~」
「はーい!」
土人形編……のはずです。
もふもふ編ではなく。




