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にゃんこの貞操が……

「ますたぁ~! いわれたとおりにしろいどろどろつかってきたよ~」

 魔女の完成させたもふもふトリートメントをにゃんこが早速使ったようです。

 お風呂上がりのにゃんこの耳尻尾はしっとりもふもふ素晴らしい状態になっています。

「もふーっ!」

 しっとりもふもふに萌えた魔女がにゃんこに飛びつきます。

「にゃうっ!」

 ソファに押し倒されたにゃんこはじたばたと暴れました。

「もふー! もふもふー! ああしっとりさらさらもっふもふ! さすが私! さすがもふもふトリートメント! 完璧な調合ねっ!」

さわさわさすさすとにゃんこのしっぽをもふもふしまくりです。

「ま、ますたぁ! ぱんつのなかにてをいれちゃだめーっ!」

「よいではないかよいではないか♪」

「あ~れ~!」

 よいではないかセオリーをしっかりと反復する律儀なにゃんこでした。

「………………」

 そんな変態的光景を眺めていた黒鍵騎士は、暴走魔女を止めることなくにゃんこの尻尾をじーっと見ています。

 じー……

「色つやと毛並みが見違えるようですね……」

 もふもふトリートメント使用後のにゃんこの尻尾はとても輝いていました。

 獣耳尻尾を持つ者ならば誰もが憧れるような色つや毛並みなのです。

 これならば魔女が暴走してにゃんこのぱんつに手を突っ込みたくなるのも理解できま……せんね。

 それとこれとは別問題です。

「ますたぁくすぐったいよ~」

「よいではないかよいではないか……はあはあ」

 なでなでさすさす。

 最後の『はあはあ』に途轍もなく危険な気配を漂わせています。

 にゃんこの貞操大ピンチ!?

「はあはあ……じゅるり」

「ますたぁ?」

 さすがに危険な気配を感じたのでしょう。

 にゃんこがびくっとなります。

「うーん。生後一歳未満で喪失? うーん、都条例的には違反しまくりだけど異世界的にはオッケー?」

 ぶつぶつと呟きながら魔女がにゃんこのシャツに手をかけます。

 貞操が!

 貞操が大ピンチです!!

「いただきまー……きゃうっ!」

 すぱこーんっ!

 と、黒鍵騎士の容赦ない拳骨が魔女の後頭部にヒットしました。

 もふもふトリートメントマジックによる暴走はこれでひとまず収まったようです。

「きゅ~……」

 にゃんこに覆い被さりながら気絶した魔女がどんな夢を見ているのか、知っているのは本人だけです。



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