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もふもふトリートメントは白くてドロドロしてるんです!

「ますたぁただいま~!」

 今日のにゃんこは街へお買い物に出かけていました。

 背中のかごには薬草がたくさん入っています。

「おかえりにゃんこ~。買い物ご苦労様」

「うみゅ~」

 にゃんこの頭をなでなで、尻尾をもふもふしつつ魔女がにゃんこを労います。

「今日は何を作るのですか?」

 居間にいた黒鍵騎士が薬草の山を見て不思議そうに問いかけました。

「お土産を作ろうと思って」

「お土産?」

「もふもふトリートメント」

「っ!」

 もふもふという言葉に黒鍵騎士がびくーんとなりました。

「黒鍵騎士のホームステイ期間もいよいよあと数日だからね。家主としては魔王城お帰りの際にお土産の一つぐらいは持たせてあげたいわけよ」

「それは嬉しいのですが……」

「それに黒鍵騎士が毎日毎日もふもふ尻尾に私お手製のトリートメントを使ってくれるかと思うとなんだかぞくぞくするしね」

「………………」

 興奮でぞくぞくする魔女に対して、悪寒でゾクゾクしてしまう黒鍵騎士でした。

 決して短くはなかったホームステイ期間に、黒鍵騎士も魔女に対してかなり情が移ってしまったのは確かなのですが、それでもこの言動ともふもふに対する変態っぷりだけはもう少しどうにかならないものかと頭を抱えてしまいます。

 しかし自らの主である魔王陛下からして度し難いロリコンであるということを考えると、魔女の変態性だけを責めるのも筋違いな気がする、という複雑な理屈に囚われてしまいます。

「ちなみにもふもふトリートメントは白くてドロドロした液体になる予定だから」

「………………」

 何故わざわざ白くてドロドロした液体にする必要があるのでしょう、とよほど問い詰めてやりたい気分でした。

 それが表情に出ていたのか、魔女はとても輝いた笑顔で言いました。

「趣味っ!」

「………………」

 その笑顔はとてもとても輝いていました。

 きっと黒鍵騎士がお手製のもふもふトリートメントを使って尻尾を白くてドロドロした液体塗れになるのを想像……もとい妄想しているのでしょう。

 尻尾の毛並みを大事にしている黒鍵騎士としてはもちろんもふもふトリートメントを戴きたいところなのですが、しかし魔女の腐りきった妄想の現実化を手伝ってしまうことに躊躇ってしまったりもするのでした。



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