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『ふんっ!』『ばりいっ!』っていうのやってみて♪

 魔女はマッチョポーションの製作に勤しんでいました。

「ごりゅごりゅ」

 歌い出すことはありませんでしたが、なんとなく黙ったままでいるのも嫌だったので声には出しています。

「ごりゅごりゅ~」

 にゃんこが傍で見ています。

 魔法薬の作り方も勉強するつもりのようです。

 その内すーぱーな使い魔になってしまうのではないでしょうか。

 魔女にとってのにゃんこはもふもふだけで十分なのですが、にゃんこはもっともっと成長していきたいと考えているようです。

 亜竜の角を粉末状にして、セイラの雫を加えていきます。

 セイラの雫は冒険者の必須アイテムであり、一時的に身体強化をしてくれるチートアイテムです。

 そこから火を加えてどろどろ煮込んで、さまざまな薬草を加えていきます。

 調合具合は魔女のさじ加減ひとつなのですが、魔女の方も最近は薬の調合に慣れてきたのでそこを間違えることはありませんでした。

 むしろさじ加減一つでマッチョボリュームを調整できるぐらいのレベルになっています。

 プチマッチョからウルトラマッチョまで自由自在です。

 最後に魔法をかけてマッチョポーションの出来上がりです。

「できたー!」

「できたね~!」

 魔女とにゃんこ大はしゃぎです。

 魔法薬が出来上がった後は大抵テンションが上がります。

 それまで集中して真面目に作業しているのでその反動かもしれません。


『マッチョポーション』

用法:筋肉の増強

効用:筋肉増大。一時的に筋力が三倍になる。


「さーてと。誰で試そうかな~」

 魔女は勇者と黒鍵騎士を眺めます。

 びくうっ! と後ずさる黒鍵騎士がちょっとだけ萌えました。

 やはりもふもふはマッチョになるべきではありません。

 にゃんこ然り、黒鍵騎士然り。

 消去法からして勇者に使用することになりそうです。

「ま、いいけどな。ちょっと興味あるし」

 勇者としてもマッチョになってみたいという願望はあるので望むところです。

「じゃあ飲んで飲んで~。そんでもって『ふんっ!』『ばりいっ!』っていうのやってみて~」

 どうやら筋肉で服を破るという離れ技を期待しているようです。

「んなことしたら俺が裸になっちまうじゃねえかよっ!」

「どうせ温泉に一緒に入ったんだから今更じゃん」

「温泉で裸になるのと魔女の家で裸になるのとじゃ全く意味が違うわ!」

 と、そんな感じで勇者がマッチョポーションを飲むまでに三十分ほど不毛な言い争いが続きました。



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