表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
254/363

本気になっていい?

「あ、起きたんだね黒鍵騎士」

「どうしたんですか? こんな時間にこんな場所で」

「んー、ちょっとホームシックっぽい感じになってた」

「……元の世界、ですか?」

「そうそう。たまーに恋しくなっちゃうんだよね」

「帰りたいですか?」

「まあねー。でもこっちにも未練はあるし、正直なところどっちも選べないかな」

「……そうですか」

 魔女は横に座った黒鍵騎士に膝枕をしてもらいました。

 温もりが恋しくなったのです。

「悩んでもあまり意味がないっていうのは分かってるよ。にゃんこを置いていくわけにもいかないしね。だから、これはたまに訪れるホームシック。あと数年もすれば折り合いはつけられると思うよ」

「もしもにゃんこを連れて行けるとしたら、あちらに戻るつもりはありますか?」

「……ない、かな。あっちにはにゃんこみたいな生き物はいないから、見つかったら実験体扱いされかねない」

「そうですか」

「ん。だから私は何だかんだ言いつつも一生ここで暮らしていくのかもしれないね。そのうち勇者みたいにこっちが自分の居場所なんだって思えるようになるといいんだけど」

「なりますよ、きっと」

「そうかな」

「ええ」

 黒鍵騎士も魔女のことは憎からず思っているのでこっちの世界にいて欲しいと願っています。

 勇者がかつて同じ事を願ったように、魔女がここにいたいと思える努力をしていこうと思っています。

「あうー……」

 魔女が何故か黒鍵騎士の太ももに頬をすり寄せています。

「どうかしました? というかそれ以上真ん中に顔は近づけないで下さい」

 それ以上真ん中に顔が近づくといつかの再現になってしまいます。

 それは勘弁してもらいたい黒鍵騎士でした。

「いや、やっぱりこっちに居場所を作るんだったら好きな人を見つけるのが一番なのかなーって思って」

「………………」

「本気になっていい?」

「………………」

 黒鍵騎士は返答に困ってしまいます。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ