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ほーむしっくな魔女さん


 その頃の魔女と黒鍵騎士のお話です。

「………………」

 いつも通りに黒鍵騎士と一緒にベッドでおねむな魔女でした。

 もふもふを堪能しつつ、魔女はご機嫌に眠っていました。

 黒鍵騎士もそろそろ慣れてきたようで、魔女の傍にいても慌てたりすることはなくなりました。

 そして魔女は夜中に目を醒ましました。

「うーん……」

 嫌な夢を見てしまったようです。

 傍で眠る黒鍵騎士を起こさないようにベッドから出て行きます。

 これは黒鍵騎士に対する気遣いではなく、今の自分を黒鍵騎士に見られたくないという理由からのものです。

 魔女は外に出て浮遊魔法を使います。

 そのまま屋根上に座り込んで星空を見上げました。

「あっちの星空も同じなのかな……」

 魔女が呟きます。

 思い出したのは元の世界のこと。

 家族と友達がいるはずの地球。

 こっちの生活はとても充実していて満たされていると感じているのですが、やはり時々は思い出してしまいます。

 寂しい気持ちにもなってしまいます。

 家族は心配しているかなとか、友達からはそろそろ忘れられたかもしれないとか、不安になってしまいます。

「帰りたい……のかなあ……」

 魔女は悩みます。

 帰りたくないと言ったら嘘になります。

 ですが帰りたくないというのも本当の気持ちです。

 この世界で出会った大切な人たちと別れたくはないのです。

「にゃんこも黒鍵騎士も大好きだしなぁ」

 魔王と勇者の名前は出て来ないようです。

「はあ……」

 悩んでも答えが出ない問題だと分かっているので魔女は溜め息をつくぐらいしか出来ません。

 寂しい気持ちも帰りたいという気持ちも、結局は折り合いを付けていくしかないのです。

「魔女殿?」

 一人で悩んでいると、黒鍵騎士が屋根上に登ってきました。

 起こさないようにと静かに抜け出したつもりでしたが、やはり現役の武人を出し抜くほどの技術はありませんでした。



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