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もふもふに関しては気が合います

「ねえ、ますたぁ。そのつのぼくがとってきてもいい?」

 にゃんこが魔女に言いました。

「にゃんこが?」

「うん。やってみたい」

「んー。まあ今のにゃんこなら亜竜ぐらい相手取れるだろうけど、でも怪我ぐらいはしそうだしなぁ」

 にゃんこに対してはものすごい過保護な魔女はちょっぴり不安になります。

 勇者のことはどうでもいいですが。

 怪我でも骨折でも半殺しでも好きにしちゃって、みたいな。

「あのね、ますたぁ。しゅぎょーなんだよ」

「修行?」

「うん。ぼくはもっとつよくなりたいけど、でもゆうしゃたちともぎせんしてるだけじゃじっせんけいけんはちくせきされないでしょ? だからすこしでもほんもののじっせんをけいけんしてつよくなりたいんだよ」

「そっかぁ」

 にゃんこも男の子ですから強くなりたいと言われればそれを止めるのも無粋です。

 少年の冒険心とは煽るものであって水を差すものではないのです。

「よし、じゃあにゃんこにお願いしようかな。亜竜の角五本よろしくね!」

「俺の時より少なくなってるし!」

 にゃんこと勇者の差は果てしなく大きいのです。

「ますたぁ、ぼくちゃんとじゅっぽんとってこれるよ!」

 しかしにゃんこの負けず嫌いがそれを許しませんでした。

「むう。頑張り屋さんなにゃんこも萌える。よし、じゃあ十本!」

「らじゃー!」

 萌えるという理由だけで元に戻しました。

 尻尾がゆらゆらしているので魔女もふらふら悶えています。

「じゃあ勇者はにゃんこの護衛ね」

「結局俺もついていくのかよ!」

「もふもふが怪我したら大変でしょ」

「それは大変だな」

「でしょ」

 もふもふに関してはばっちり気の合う二人でした。

「まあギリギリまではにゃんこに頑張らせて。危なくなったら助太刀するって形でいいから」

「まあそれが妥当だな。にゃんこの成長の為にも」

「そうそう。いずれ勇者をぼこぼこに出来るぐらい強くなってもらうつもりなんだから」

「だからなんで被害者が俺なんだよっ!」

「負けなければいいだけでしょ」

「それはそうだが……」

 腐っても勇者ですから使い魔がどれだけ強くなったところで負けるつもりはありません。

「もふもふ仕掛けでも教え込めば勝率は変化するかもしれないけど」

「やめーっ……るな! 負けてもいいからもふもふしたい!」

「……死ねばいいのに」

「ますたぁ。じゅんびできた~」

 というようなやり取りを経て、にゃんこの大冒険が始まります。

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