表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
246/363

敵認定、にゃんこ発進!

「何故、そう思う?」

 軍人Aはそれでも取り乱したりせずに冷静に対処しました。

 このあたりは狸の蠢く上流階級の中を生き抜いただけのことはありますね。

「魔女には人の嘘を見抜く力があるのよ」

 と、魔女の方も大嘘を吐きました。

 もちろんそういう魔法もありますが、この場合は使うまでもなく丸分かりだったからです。

 魔王の方に心当たりがない以上、相手が嘘を付いているのは間違いありません。

 何故なら魔王はともかくとして黒鍵騎士は有能な側近なので各国の情報を把握していないわけがないからです。

 その黒鍵騎士から報告を受けてない以上、魔族との戦争は嘘、もしくは当分先だということは確実でしょう。

「クラール王国は過去に勇者を得られなかった。だからこそ魔族に対しても人間に対しても何らかの切り札が必要になるのかなって思っただけなんだけどね。だったら魔族との戦争を開始する前に、人間との戦争で上下関係をはっきりさせておきたいんじゃないかな~って」

「………………」

「魔族との戦争が茶番だっていうのは上層部なら理解してると思うけど、だからこそ人間同士の戦争、つまりは力関係には魔族以上に力を入れている。違うかな?」

「……さすがは魔女といったところか」

軍人Aは観念したように溜め息をつきました。

「それで、こちらの要求は受け入れてもらえるのかな?」

「断ると言ったら?」

「クラール王国と魔女は正式に敵対することとなる」

 軍人Aは持っていた剣を魔女に突きつけました。

「ふーん……」

 魔女はにんまりと笑います。

 軍人Aは自分が地雷を踏んでしまったことにまるで気付いていません。

「つまり、言うこと聞かないとここで私を殺しちゃうぞ、みたいな?」

「ああ。魔女は魔法に長けているだろうが、それでも近接戦に持ち込めば何も出来ないだろう? この状況ではこちらの言いなりになる以外の選択肢は無いはずだ」

「あははは。その冗談面白い」

「っ!」

 緊張感に欠ける魔女の物言いに憤慨しかける軍人Aですが、

「ますたぁ、このひとてき?」

 横にいたにゃんこが魔女にそう問いかけました。

「うん。敵だよ。殺しちゃ駄目だけど半殺しならしていいよ」

「わかった~」

 なんとも呑気なやり取りの果てに、軍人Aはにゃんこに襲いかかられるのでした。

「ぎゃあああああーーっ!!」

 哀れな悲鳴が魔女の家に響き渡ります。



にくきゅうではんごろしにされました(T_T)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ