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最高級でよろしく

「ゲテモノは意外とイケるって説は本当だったんだねぇ、もぐもぐ」

「んまんま。ますたぁおかわり~」

「ほい」

「………………」

「………………」

 どう見ても美味しそうには見えなかったヌシですが、魔女とにゃんこは何事も試してから結論を出そうということで、とりあえず三枚に下ろした身を串に刺して焼いてみました。

 塩を振ってみでぃあむ・れあでもぐもぐしているのですが、これが予想に反して美味しかったようです。

「……まあ、うまいけどさ」

「躊躇いなく食べられる魔女殿とにゃんこが凄まじいですよね……」

 勇者と黒鍵騎士もおそるおそる食べています。

 一口食べれば美味しいと分かるのでその後は普通に食べていますが、それにしても躊躇いなく口に出来る魔女達の精神力には驚かされっぱなしです。

 鉄の心臓を持っているのかもしれません。

「失礼な。でりけーとながらすはぁとだよ」

「………………」

 勇者の考えていることが伝わったのでしょう。

 魔女が膨れっ面で反論しました。

 デリケートなガラスハートだと主張していますが、本人を含めてどれぐらい信じているかは謎のままにしておきましょう。

「ますたぁ。ほぞんのまほーをかけてにざかなにもしてみようよ」

「いいねぇ。じゃあ三分の一はそうしてみようかな。刺身だといまいちだったから、加熱調理系だと大丈夫そうだね」

「うん」

 大漁に残ったヌシの肉をどうするか話し合っている魔女達ですが、湖からヌシがいなくなってしまったことについては何ら思うところはないようです。

 ある種の名物でもあったのですが、所詮は他人事、魔女にとってはどうでもいいことなのでしょう。

「味噌漬けにするのもいいんじゃないか?」

 そんな二人を見て勇者もある程度開き直ったのでしょう。

 せっかくだから自分もうまいものにありつこうとしてちょっとした提案をしてみます。

 味噌に漬けた魚は大好物なので、是非とも魔女のお手製で食べたいと考えたのです。

「味噌漬けかぁ。でもいま味噌は切らしてるんだよね」

「買ってくる。俺が買ってくるから作ってくれ」

「最高級でよろしく」

「……了解」

 残った味噌は魔女のものなので、報酬代わりに最高級の味噌を要求しました。

 しっかり者の魔女はきっといいお嫁さんになれることでしょう。

 誰のお嫁さんになるかは不明ですが。

 魔王じゃないことだけは確かですね。



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