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びくんびくんっ

「うっ……うっ……うぅ……」

 身体中がヒリヒリする魔女は泣いていました。

「ますたぁ、だいじょうぶ?」

「にゃんこ~!」

 萎えた気力にもふもふ補給! の如く魔女はにゃんこに抱きつきます。

「黒鍵騎士がぁ! 私の黒鍵騎士が壊れたぁーっ!」

「よしよし……、でもこっけんきしはこわれたっていうよりもきれたっていうんじゃ……」

 にゃんこがそんな正論を言います。

 今まで我慢していたモノが溜まりに溜まって器が破裂してしまい、ついには人格崩壊に至ってしまった、というのがにゃんこの見解のようです。

 まあそれは正しい意見ではあるのですが、魔女としては現実を直視したくないので認めたくない事実のようです。

 そして、

「これは由々しき事態だ!」

 魔王も黒鍵騎士の人格崩壊を重く捉えていました。

 魔王にとって黒鍵騎士は大切な側近なので、その深刻さは魔女以上と言えるでしょう。

 という訳で、

「秘密会議~! 黒鍵騎士をどうやったら元に戻せるか相談しよう!」

 魔女、にゃんこ、そして魔王が円陣を組んで相談しています。

 ちなみに黒鍵騎士は台所で調理中です。

 料理担当である魔女のダメージが甚大で台所に立つ気分にはなれず、仕方なく黒鍵騎士がその代理として動いています。

 何でも屋に近い魔王の側近として、料理スキルぐらいは習得している黒鍵騎士です。

 もちろん名コックレベルとはいきませんが、しかし人並みレベルもしくは家庭料理レベルは十分にクリアしています。

「うーん。すなおにあやまるっていうのは?」

 にゃんこが堅実な案を出します。

「謝れば許してくれるっていうのはあるだろうけど、でも元に戻るのは期待薄だなぁ」

 魔女が腕組みをしながら首を傾げます。

「では謝ると同時に元に戻るようお願いするのはどうだろう?」

 今度は魔王が言います。

「お願いして元に戻ってくれるレベルの怒り方と変わり方でもない気がするけど」

「そこはあらゆる演出を加えて効果を増幅させるのだ!」

「あらゆる演出って?」

 魔女が首を傾げます。

「うむ、それはな……ごにょごにょ」

「……ふーん」

 魔王は魔女に耳打ちします。

 別に耳打ちをする必要はなかったのですが、単純に魔女へと近づきたかっただけです。

「っ!」

 最後に魔女の耳をぺろりと舐めました。

 どうやらこれが目的だったようです。

 黒鍵騎士に対する誠意がまるで足りていませんね。

「天誅っ!」

「ぎゃふんっ!」

 魔女は魔王のお尻に強烈な蹴りを喰らわせました。

 割れ目をめがけて攻撃したので変な場所に食い込みました。

「あう……うぐ……」

 びくんびくんなりながら魔王は呻いています。

 そのうち新世界に目覚めるかもしれません。

 魔王さま大ピンチっ!



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