お仕置きタイム
「待って! 待って! まずは落ち着こう! 話し合いって大事だと思うなーっ!」
魔女はらしくもなく魔王にしがみつきながら(いざという時の盾にする為)黒鍵騎士に弁解をしています。
顔半分に影効果を施した黒鍵騎士はかなり怖いです。
目の光だけがギラギラしているのがさらに怖いです。
「落ち着いていますよええ落ち着いていますとも」
「ほ、ほんとに?」
びくびく、という効果音を醸し出しながら魔女が問いかけます。
「ええ」
しゃきーんっ、とハリセンを正眼に構えた黒鍵騎士が答えました。
バリバリの臨戦態勢です。
「落ち着いてないーっ!」
「いえいえ、落ち着いていますよ本当に。今まで下手に出ていたのが間違いだったと気づきました。陛下や魔女殿のような手合いが相手ならばむしろ強気でいった方がよい結果に繋がるかと思いまして」
「へ?」
「なに?」
魔女と魔王が同時に言いました。
「嫌なことは嫌だときちんと意思表示を行い、道を踏み外した発言や行動には然るべき制裁を加えることこそが更生の道だと判断しました」
「せ、正妻……じゃなくて制裁!?」
一瞬だけ都合のいい解釈をしかけて、それでも一秒で現実と向き合った魔女でした。
「ええ。これから先はビシバシいきます。陛下にも魔女殿にも」
「ひいっ!?」
「なぬっ!?」
何をどうビシバシいくのでしょう。
その内容を考えるだけで恐怖が増大していきます。
「まずは私を対象に腐った会話をしてくれたことにたいする制裁をしなければなりませんね」
「えっ!? えっ!? 腐った会話って何かしたかなあっ!?」
本気で心当たりがない魔女でした。
これはもう制裁を加えられても文句は言えません。
「自覚がないのかっ!?」
「だから何のことーっ!?」
魔女は涙目になりながら後ずさります。
しかし黒鍵騎士は逃がしてくれません。
じりじりと魔女との距離を詰めていきます。
魔女にしがみつかれた魔王との距離も詰められています。
「覚悟!!」
「きゃあああああっ!!」
ハリセンを構えて百連発お仕置きの刑を発動させた黒鍵騎士はそのまま腕を振り下ろしました。
「ぎゃあああああああっ!!」
そして真っ先に盾にされた魔王が七十連発を食らいました。
「ひ、酷い……!」
巻き込まれた魔王としてはたまったものではありません。
「はあああっ!」
そして魔王が倒れたことで残りの三十発は魔女に向けられます。
「きゃあああああああーーっ!!」
スパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパーン!!
と、派手な攻撃音が魔女の家に響き渡りました。




