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シリアスなシーンだと思いたい

「くっ! やはり殺すしかないのかっ!?」

 苦戦し続けている魔王は苦渋の決断を迫られていました。

「手を貸そうか~?」

 結構シリアスな場面の筈なんです。

 しかし聞こえてくる声はシリアスムードぶち壊しレベルのお気楽モードでした。

「貸してくれるのか?」

「まあ黒鍵騎士もふもふを殺されるのは困るしね」

「方法は?」

「もちろん考えてる。もふもふゲット作戦プランB!」

「……何故プランB?」

「魔王の所為で一ヶ月レンタル中に陥落させるっていうプランAが台無しになったからだよ」

「……そんなことを考えていたのか」

 考えていたようです。

 一ヶ月の間にあんな事やこんな事をしながらゆっくりと籠絡していく気満々でした。

「で、どうする?」

「頼む。余では殺さずに抑えつけることは無理そうだ」

「らじゃ~」

 魔女はルナソールを手にしながら黒鍵騎士に突っ込んでいきます。

 その際、邪魔な魔王はフルスイングでホームランしました。

「ぎゃーっす!!」

 星の彼方に飛んでいく魔王はキラリと輝いています。

 永遠なれ、みたいな感じですね。

 もちろん生きていますよ。

「があぁぁああーーっ!!」

 そして攻撃目標を見失った黒鍵騎士は魔女へと襲いかかります。

「よいしょっと……!」

 黒鍵騎士の剣戟をルナソールで受けとめる魔女ですが、さすがにキツそうでした。

 予め身体強化の魔法を使っていなければ両断されていたでしょう。

 夥しい魔力が籠められている斬撃を耐えた魔女は、新しい魔法を起動させました。

「魔力吸収術式展開!」

 暴走している魔力ごと吸収してしまうつもりのようです。

 そうすることで魔力を奪い尽くし、黒鍵騎士を無力化させようとしたのでしょう。

 しかしいくら魔女でも純粋な魔力ではなく、負の感情に侵された汚染魔力を吸収してただで済むはずがありません。

「ぐ……くぅっ!」

 苦しそうに呻きながら、それでも魔女は吸収を止めません。

 黒鍵騎士が力尽きるまで、魔女は耐えるつもりです。

「がああ……!!」

「ぐぅぅ!」

 力と力、魔力と魔力吸収のぶつかり合いです。

「ますたぁ……」

 にゃんこが心配そうに声をかけます。

「がはっ……!」

「ますたぁ!!」

 汚染魔力に耐えきれなくなった魔女が吐血してしまいました。

 それと同時に黒鍵騎士の魔力も尽きて倒れてしまいます。

 二人はそのまま折り重なるようにして意識を失ってしまいました。


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