中身よりも外見が大事
「あれ? 私がチェリーなんて一言でも言ったっけ?」
そして魔女が爆弾発言をかましました。
「………………」
「………………」
黒鍵騎士と魔王がフリーズします。
黒鍵騎士は『魔女殿、進みすぎでしょう!』という視線で、魔王は『誰だ! 許すまじロリ美少女のチェリーを奪った外道は一体どこにいる!!』という視線で魔女を射抜きます。
「……マジ?」
勇者ですら信じ難い視線で魔女を見つめています。
魔女の年齢は十三歳です。
確かに地球世界でも海外ではアリな感じですが、しかしいくらなんでも……
「ま、チェリーだけどね♪」
転けました。
にゃんこを除いた全員が地面に突っ伏してしまいました。
心臓に悪すぎます。
「よし! じゃあ私のチェリーあげるから黒鍵騎士のさくらんぼは私がもらうっ!」
「お断りしますっ!!」
即答でした。
「………………」
じわりと涙目になる魔女です。
「うぐ……」
こうなると弱いのが黒鍵騎士の攻めポイントですね。
「まあさくらんぼを奪うかどうかは置いといて、とりあえず一ヶ月もふもふ添い寝してもらおうかな~」
魔女としてもまだまだエロ欲求に目覚めているわけではないので、その辺りは細かく言うつもりはありません。
「では余も付いていこうかな」
ちゃっかり魔女の膝にいた魔王がそんな事を言います。
「えー……邪魔」
魔女の方はあっさりと切り捨てます。
「この姿のまま行くつもりだが?」
「………………」
悩みました。
中身がロリコン変態中年。
しかし外見がショタもふ美少年。
黒鍵騎士もなんだかんだで長生きしているので、この際中身よりも外見が重要だと判断することにしました。
「いいよ。もふもふしてあげる」
魔王の尻尾をもふもふします。
もふもふ出来ればそれでいいのです。
こうして一ヶ月間の魔女宅ホームステイが決まったのです。




