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仕事辞めたい

 結局のところ魔女の勝利となったタッグマッチですが、しかし魔女としては記憶にない間の出来事なのでどうにもしっくりきません。

 だからといってせっかくの黒鍵騎士一ヶ月レンタルもふもふセクハラやりたい放題の権利を放棄するつもりなど微塵もないのですが。

「……まあ、仕方がないな。さすがに余も勇者もあの・・状態の魔女に勝てる気はせん」

 魔王が諦めたように溜め息をつきました。

 ちなみに魔王もまだショタ美少年もふもふ変装姿のままです。

 それがどういう事かというと、魔女が黒鍵騎士の膝に抱っこされて、さらに魔王が魔女に抱っこされて耳を弄られているという状態です。

 敗北しても魔王にとってはヘブンですね。

 勝利者の魔女にとっても当然ヘブンです。

 ヘルなのは黒鍵騎士だけですね。

「じゃあ黒鍵騎士一ヶ月レンタルオッケーなんだね」

 魔女が魔王の頭をなでなでしながら言います。

「うむ。好きにするがよい。ちなみに余の知る限り黒鍵騎士はまださくらんぼだぞ。奪うなら今のうちだ」

「陛下―っ!!」

 底意地の悪い笑みと共に秘密を暴露された黒鍵騎士は主相手に怒鳴りつけるという醜態を晒してしまいました。

「じゅるり……」

 そしてよだれを垂らす魔女です。

 結構長生きしているはずの黒鍵騎士が童貞ということはそれなりに意外でしたが、しかし魔女にとっては楽しみが増えたも同然です。

 どうやって味わってやろうかと舌なめずり&脳内妄想垂れ流し特急状態です。

「うぅ……」

 一ヶ月の間に大切なものを奪われてしまいそうな確信がある黒鍵騎士としては震え上がるしかありません。

「陛下……どうしてそのようなことを……」

 魔女にご執心なのは黒鍵騎士ではなく魔王です。

 それなのにどうして魔女と黒鍵騎士のらぶらぶフラグを立てようとするのか、主の思惑が本気で理解できないのでした。

「うむ? 仕方がないだろう。思惑空しく敗北してしまった以上、魔女の開通をお前に任せてその 感想を事細かに事情聴取するぐらいしか楽しみがないではないか」

「………………」

 案の定、ロクでもないことしか考えていませんでした。

 黒鍵騎士としての役割を本気で辞退したいと思ったのは初めてかもしれません。



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