今までで一番酷い
「もふもふもふもっふもひゅっ!」
「うわああああああーーっっっっ!!!」
股間部から生える尻尾……もといもふもふを堪能するために黒鍵騎士の股間部に顔面を突っ込ませてすりすりしている魔女の図は、それはもうかなりアレです。
一見、ロリ美少女が黒鍵騎士の●●●を●●●しているようにしか見えないというのが更にアレです。
「ちょ、魔女殿! やめ、やめて下さいーーっ!!」
自分の股間部から魔女の頭を必死に引き剥がそうとするのですが、さすがにバーサクモードなだけあって簡単には行きません。
「……助かった」
そして黒鍵騎士の犠牲によって災難を免れた勇者は心底ホッとするのでした。
もちろん黒鍵騎士の被害状況はアウトオブ眼中です。
酷いですね。
「もふ……もふ……むぐ……」
ようやく『もふ』以外の言葉を喋れるようになった魔女は、徐々に正気へと戻りつつあります。
「もっふもふ……」
しかし顔面は相変わらず黒鍵騎士の股間部に突っ込まれたままです。
正気に戻りつつあってもそこにもふもふ尻尾があるのですから離れるわけがありません。
自分がどこにいるのかをまだ理解していない魔女はさらにもふもふ尻尾をすりすりします。
つまり、黒鍵騎士の股間部に顔面をすりすりしているのです。
これほど酷い図は魔女っ娘日和の中でもかなり上位に入るのではないでしょうか。
「おもしろそう~。ぼくもこんどやってもらおうかな~」
アレな意味をまだ知らない無垢なにゃんこがそんなことを呟きます。
将来における地雷を踏んだ瞬間ですね。
「ん……」
そして魔王が気絶から目を醒まします。
「って、何をやっておるのだーっ!!」
目が醒めて最初に見た光景が黒鍵騎士の股間部に顔面を突っ込んでいる魔女の図なのですから、そりゃあ怒り狂うに決まっていますね。
「んあ? あれ、何で黒鍵騎士の股間部に私がすりすりしてるの?」
そしてその声でようやく魔女が完全正気に戻りました。
「……詳しい事情を話すのも嫌ですけど、とにかく離れて下さい」
怒る気力も奪われた黒鍵騎士は涙しそうになりながらもそう言います。
「あ、うん」
魔女は素直に従いました。
さすがに男性の股間部に顔面を突っ込んでいたという事実は魔女も少し恥ずかしかったようです。
そしてどうしてそんなことをしたのだろうと疑問に思うのですが、股間部からゆらゆらしている尻尾を見て納得しました。
「あ、なるほど。もふもふの為か」
自分の狂気をその一言で片づけてしまう魔女はある意味で最大級の大物なのかもしれません。




