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「よし、ではこうしよう。今度魔王軍の女性兵士訓練を行う。もちろん体術訓練だ。その際、勇者に教官をやってもらおう」
「………………」
ごくり、と勇者が喉を鳴らします。
「くんずほぐれつ、特盛り中盛り小盛り触り放題撫で放題つつき放題。ついでに個人情報もゲットできるからこの先巨乳女性への交友関係が広がるぞ? どうだ?」
「勝つぞ魔王!!」
「そう言ってくれると思っていたぞ親友!」
がしっと腕を組む魔王と勇者です。
「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
その様子を魔女とにゃんこと忍者と黒鍵騎士が眺めています。
ゴミを見るような目で眺めています。
「……とにかく勝つのは私達だけど、その前に魔王」
「なんだ?」
魔女がこめかみを押さえがら魔王を指さします。
「元の姿に戻って。その姿だとやりづらい」
「………………」
魔王は未だにショタ美少年もふもふのままです。
魔女に可愛がられたのがよっぽど嬉しかったのでしょう。
薬の効果は丸一日続くので、しばらくはこのままです。
もちろん呪文一つで解除することは出来ますが……
「却下だ! この姿で戦うことは余にとってメリットが大きいと予想できる!」
「くっ……!」
その通りでした。
ショタ美少年もふもふは愛でるものであって痛め付けるものではありません。魔女にとって今の魔王を攻撃することは心理的抵抗が高過ぎます。
「あれは変態あれは変態あれはロリコンあれはロリコンあれはおっさんあれはおっさん……」
ぶつぶつと呟き続けます。
まるで自分に言い聞かせているかのようです。
マインドコントロール中なのかもしれません。
「ますたぁだいじょうぶ?」
にゃんこが心配して声をかけてきます。
魔女の目が血走っているのがちょっぴり怖いようです。
「大丈夫大丈夫。ショタ美少年もふもふの皮を被った変態ロリコン中年なんかぶっとばしてやるんだから」
「………………」
もう何が何やら、といった感じですね。
かくして五人のバトルが始まります。




