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探検へゴー!

 魔女を出迎えてくれたドワーフはさっそく工房へと案内してくれました。

 白銀龍の紹介だと言うとちょっとだけ驚いて、どんな仕事でも引き受けると言ってくれました。

「実は白銀龍様はこの地下都市にある結界を維持してくれている大恩人でしてな」

 ドワーフの老人はそう教えてくれました。

「へえ。この結界ってあの龍が張ってるんだ。すごいね」

 あの時戦いにならなくて本当に良かったと胸を撫で下ろします。

 少なくとも魔法戦闘では敵わなかったでしょう。

 ……魔女なのに。

「白銀龍様は我らの守護神に近い存在でしてな。あの方がいなければ我々はこうして地下で暮らすことは難しかったでしょう。火山の傍で有り余る火力とともに生きていくことが出来る。鍛冶の一族にとってこれほど幸せなことはありません」

 つまり、趣味に没頭できる環境を与えて貰ったからドワーフは幸せ一杯、ということでしょう。

 魔女はオリハルコンの杖を創って欲しいと依頼しました。

「魔女殿が使われるのですか?」

「そうだよ。専用装備が欲しくてね。白銀龍ママに素材を譲って貰ったの」

 そういって鞄からオリハルコン鉱石を取り出します。

「おお! これはまさしくオリハルコン鉱石!」

 ドワーフの老人は嬉しそうに顔を綻ばせます。

「報酬はオリハルコン鉱石三キロくらいでいい?」

「もちろん! 十分ですとも!」

「じゃあはい、これ」

 前払いで報酬を手渡します。

 ごろごろとオリハルコン鉱石を取り出されたドワーフの老人は恐縮しながら両手に抱え持っています。

「ず、随分と沢山持っているのですなぁ」

「まあね。気前よく白銀龍ママが譲ってくれたから」

 正確には遠慮無しに貰っていったのですがそれを正直に言うほど魔女もお馬鹿ではありません。

「分かりました。我らに創れる最高級のものをご用意いたしましょう」

 ドワーフの老人は興奮気味に頷いてくれました。

 出来上がるまでに三日ほどかかるようなので一度家まで戻って、出来上がったら受け取りに来ようと思ったのですがそうもいきませんでした。

「申し訳ありません、魔女殿。杖が出来上がるまではこちらに留まっていただきたいのです」

 ドワーフの老人はそう言いました。

「いいけど、なんで?」

「魔女殿にとって最適な杖を創るには、製作過程における魔女殿の細かい意見や使い心地、魔力の通し具合などを見ていただく必要がありますので」

「なるほどね。そりゃ一理あるわ」

 オーダーメイドなのだからそのくらいは当然でしょう。

 魔女は杖が完成するまでドワーフの村に滞在することを了承しました。

 折角珍しい地下都市なのですから観光がてら見物していくのも悪くないでしょう。

「ますたぁ。ぼくたんけんしたいな」

 にゃんこがわくわくした表情で言いました。

「探検か~。いいね」

 構わないかな、ドワーフの老人に視線を送ると、こくりと頷いてくれました。

「では探検にれっつらご~!」

「ご~っ!」

 魔女とにゃんこはごきげんに地下都市を探検するのでした。


 

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