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オリンピックじゃないよ?

 そして一行は魔王城にある闘技場へと向かいました。

 この闘技場は四年に一度、ハルマ大陸から戦士を集ってトーナメント戦を行うための場所です。

 優秀な成績を残した上位三名には金メダル・銀メダル・銅メダルが贈られます。

 ……オリンピックじゃないですよ?

 それだけではなく、優勝した種族の領地では税金を半額にするという特典付きです。

 厳しい財政でそのような減税を行っているのですから魔王の財布がさらに締めつけられているのは必然と言えるでしょう。

 しかしこのトーナメント、『魔王杯』は昔から受け継がれてきた伝統なので、その褒賞も含めて今更変えるわけにはいかないのです。

 闘技場にやってきた魔女達はそれぞれに向かい合っています。

 片方は魔王&勇者タッグ。

 そしてもう片方は魔女&忍者&にゃんこチーム。

 さすがに魔王&勇者タッグに二人だけで立ち向かうことは不利なので、もう一人増やして貰うことにしました。

 にゃんこは見た目に反して凶悪な戦闘能力を持っているので、十分なプラス戦力になります。

 そしてその間に立つのは黒鍵騎士です。

「………………」

 それはそれは嫌そうな表情で立っています。

 どうして自分がこんな事に巻き込まれなければならないのだろうと自問しているのかもしれませんし、もしかしたら全てを諦め尽くしている表情なのかもしれません。

 このロクでもないバトルの審判に選ばれた黒鍵騎士こそが、もしかしたら一番の被害者なのかもしれませんね。

 結局バトルは成立してしまっています。

 魔女&忍者&にゃんこが勝利した場合には、黒鍵騎士を一ヶ月レンタル&勇者としっぽり一晩権利。

 そして魔王&勇者が勝利した場合には、魔女が魔王城で一ヶ月軟禁……もとい滞在することになります。

 ただし、魔王は変身ポーションを使用してショタ美少年もふもふヴァージョンになることが条件ですが。

「この勝負なんとしてでも勝つぞ勇者! 勝って魔女とベッドインするのだ!」

「……いや、勝ったところで俺にメリットが無いんだけど」

 全くもってその通りです。

 勇者にとってはいまいちテンションが上がりきらない展開なので仕方がありませんね。

「むう。親友のために頑張ろうとかいうのではモチベーションは上がらぬか?」

「……公式設定では親友どころか天敵なんだがなぁ」

「細かいことは気にするな」

「仮に親友という設定を受け入れたとしても、どうして俺がロリコン中年の変態欲求を満たすために一肌脱がなければならないんだ?」

「よいではないかよいではないか」

「よくねえよ……」

 バトル前に不毛な言い争いを続ける二人でした。



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