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鬼に核兵器

「そういう趣味はないけど、女の子としては恋する乙女を応援したくなるっていうのは真っ当な感情だと思うわけよ」

 魔女は屋根の上で腕を組ながら言いました。

「恋する乙女、ね……」

 最初は女性だと気付きませんでしたが、確かによくよく観察すると肝心なところが僅かばかりに膨らんでいます。

 一応は女性ということでしょう。

 ……こんな失礼なことを考えられているとは気付かない忍者は、いきなりの魔王陛下登場にびくびくしていました。

 覆面に隠れて分かりませんが、忍者の種族はダークエルフです。

 つまり魔族なので魔王陛下には絶対服従なのです。

 勇者の弟子入りは別問題として、いきなり魔族の頂点が登場して魔女の胸を揉みしだいた挙げ句、ぶちのめされたり電気あんまをされたり色々酷い目に遭っているのを見て複雑な気分にもなっています。

「しかし二人の得意分野は戦闘なのだし、ここは戦いで白黒付けるのが一番無難だろう。他のルールでは後々揉めるのではないか?」

「まあ、揉めるかもしれないね。でも忍者と勇者じゃ勝負にならないでしょ」

「それはそうだが、それもルール次第だろう」

「ルール次第って、何か妙案があるの?」

「ある」

 魔王は勇者の腕を取って自分の方へと引き寄せました。

「うわ。何しやがる。俺は男に抱きよせられる趣味はないぞ」

「馬鹿者。余にだってないわ」

 お互い心底嫌そうな表情で罵り合っています。

 天敵というよりは宿敵怨敵みたいな態度ですね。

 これでも意外とと仲は良い筈なんですが。

 女の趣味が絡まない限りは。

「タイマンルールで不利ならばチーム戦で挑めばいいだろう」

「チーム戦ってまさか……」

 魔女は嫌な予感を膨らませながら魔王を見つめます。

「そのまさかだ。余と勇者、そして魔女と忍者でタッグを組めばチーム戦が実現できる」

「げ……」

 勇者は嫌そうに呻きました。

 魔王とタッグを組むことが嫌なのではなく、魔女を敵に回すことに対して本能的な危機感を感じているようです。

「なるほど。魔女は魔王さまをぶっ飛ばすほど強力な使い手のようだし、確かにおれと魔女が組めば鬼に核兵器っすね!」

「そこまで凶悪じゃないわよ!」

 せめて鬼に金棒あたりで留めて貰いたいと切実に訴える魔女なのでした。


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