死ねばいいのに……
「うー。ひどいっす~。二号が舐めろと言ったくせに~」
忍者が打撲だらけの身体をさすりながら恨みがましそうに魔女を見つめます。
「だから二号言うな! それから舐めろとは言ったけどしゃぶれとは言ってない!」
「大差ないじゃないっすか~」
「大ありよっ!」
「特に性感……ぎゃふんっ!」
ぼそりと突っ込みを入れようとしていた勇者には屋根の瓦を操作して股間にトンガリ瓦攻撃を炸裂させました。
当分の間使い物にならないかもしれません。
勇者はぴくぴくと悶えています。
「特に指の間とか舐めてる間はいい反応してくれたっすよ?」
「………………」
ゴゴゴゴゴ……と右手に凶悪な魔力を集中している魔女が、忍者をミンチにしてやろうと決意した瞬間でした。
「ひいっ!? わわわわ悪かったっす! おれが悪かったっすーっ! おたすけーーっ!」
がたがたぶるぶる震えながら忍者は土下座して謝り倒しました。
ここで土下座をしなければ特急列車に轢かれたバラバラ肉の状態にされることは明白です。
「ふん。とにかく今度やったらぶっ殺すからね!」
「き、肝に銘じるっす」
「それから私への弟子入りは諦めなさい。見たところ忍者には魔力皆無だし。魔力を使った戦い方しか出来ない私に教えられることは何もなさそうよ」
「そうっすかぁ……」
がっくりとうなだれる忍者でした。
「勇者もさぁ、意地張ってないで一晩ぐらい付き合ってあげたらいいじゃない」
「だって俺巨乳がいいし」
「死ねばいいのに……」
「………………」
ゴミ虫を見るような目で言われた勇者はうぐ、と一歩下がってしまいました。
「い、いいだろ別に。俺に勝ったら一晩付き合ってやるって言ってるんだから」
「神様チートで最強属性の癖にそんな条件出す事自体がもう不誠実極まりないよね。勝てるわけないって分かってて言ってるんだから」
「うぐっ!」
「そうっすそうっす! こうなったら勝負の内容を変えるっすよ!」
忍者も便乗して文句を言います。
ここで押し切れば勇者をゲットできるチャンスですから頑張りどころです。




