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フィアー・インプリンティング

「おっす魔女、それににゃんこ。久し振りだな!」

 勇者は刀を鞘に収めてから軽く手を振ってきました。

 どうやら魔女とにゃんこに気付いていたようです。

「久し振り。なかなか見事な戦いだったね」

「ゆうしゃつよいね~」

「ふふん。伊達に引退勇者じゃねえぜ」

「威張るようなことでもないけどね」

「うあ」

 魔女の容赦ない突っ込みは健在です。

「というかあの防御って一体どうやったの? 刀で斬りつけられて身体が無傷というのはともかく着物まで無傷なんてこと有り得るの?」

 魔女としては好奇心から問わずにはいられないようです。

「ああ、実際は斬りつけられてねえよ。戦闘中は自分の身体に薄いバリアを張ってるからな。生半可な攻撃ははじき返せるんだ」

「なるほど」

 どうやら常時発動型の防御魔法を使っていたようです。

「じゃあどれだけ耐久度が高いか試してみようかな~」

 魔女がルナソールから魔力を引き出します。

 凶悪な魔力が杖の先端に集まりました。

 どうやらこれで殴る気満々のようです。

「うああ! 待った待った! それは防げない! 弾けない! 許してプリーズ!」

 身体能力では魔女よりも勇者の方が遥かに勝っていますが、今まで喰らった魔女の凶悪攻撃が思い出されて勇者が怯えてしまいます。

 そして魔女のことですからたとえ勇者が避けたとしても自動追跡ほーみんぐ機能ぐらいは仕込んでいそうなので、どちらにしろいつかは攻撃されそうだという確信もあります。

「駄目?」

 魔女が上目遣いで尋ねますが、

「駄目だ!」

 魔王と違ってロリ萌え属性のない勇者には通用しませんでした。

 魔女のおっぱいがもう少し育っていたらやばかったかもしれません。

「ちぇ~」

 魔女はしぶしぶ魔力を解除します。

「ほっ……」

 心の底から安堵する勇者でした。

「あれ? そう言えば忍者が消えてる?」

 勇者におためし攻撃しようとしている間に、傍にいたはずの忍者が消えていました。

「どこいったの?」

 にゃんこもきょろきょろとあたりを見回します。

「ああ。きっと手裏剣を回収しにいったんだろ。あいつ貧乏だから投げた手裏剣はいつも戦闘後に回収してるんだよ」

「………………」

「………………」

 呆れつつも納得する魔女とにゃんこなのでした。



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